ニセ札 [DVD]
本作にはネタ元があるそうだ。昭和26年に静岡・山梨で起きたニセ札事件で、元小学校の校長とか旧軍人とかが逮捕されたことを下敷きにホンも書かれている。主軸は向井康介が書いているのだろうが、もともと山下敦弘監督とのコンビが多い脚本家であり、本作も「松ケ根殺人事件」にムードが似ている。木村祐一の初監督作品で、冒頭から明るめのスコアで始まるのだが、内容にほとんど笑いはない。戦後すぐの小学校に貼られた日本地図にはまだ千島列島や樺太が描かれていたり、良い風情の小学校をロケに使ったりと、美術面での健闘も買える。俳優陣の「舞台」っぽい芝居も絶品だ。しかし残念なことに本作からは「テーマ」が感じられないのだ。軽い気持ちで始めたニセ札づくりと、それを企てたワケありカップルのくだりまでは面白いのだが、この作品に於けるテーマは「軽い気持ちで始めたニセ札づくり。何が悪いの?」という「開き直り」にあると思う。そうでないとラストの裁判シーンで倍賞演じる佐田が、裁判長に食ってかかる「意義」がなくなるのだが、どうも最後のイメージは「犯罪人」で終わってしまう。まあ劇中で殺人も犯しているので、こちらの罪については償う必要があるだろうが、本来のテーマは違う。いっそのこと、木村監督がメイキングで言っていた通り「オーシャンズ11」の如く出所後に全員集まって「さあ、またやろうか」くらいの勢いで締めて欲しかったなあ・・・。それにしてもエンケンが裁判長とは(笑)。ほとんど裁かれる役ばっかりだったのに、このところ一級俳優にのし上がって来たなあ。それでもいまだにGPミュージアム作品なんかにも喜々として出てしまうあたりが大好きである。特典ディスクにはメイキングと舞台挨拶などが収録されている。ちょっと惜しい出来で、星は3つです。
人志松本のすべらない話 ザ・ゴールデン4[DVD]
「ザ・ゴールデン4」は録画をさんざん見ていたのでぱっと見「5」かと思いました。
改めて内容をみると、兵藤とビビる大木は2話ともかなり面白かったですが
一番爆笑したのはジュニアの「トキエ」でした。
優勝した「欽ちゃん」は一般人よりは芸能人に受けたんじゃないかと思います。
ゆれる [DVD]
人は思い入れや感情の違いによって同じものを見ても必ずしも同じように見えたり、記憶したりしていない。そんな人間の心理を題材にしたのがこの作品だ。
東京に出てカメラマンになって成功したが、父親に認められていない弟(オダギリジョー)と地元に残り真面目にガソリンスタンドを営む兄(香川照之)の兄弟。弟は真面目に地元で働く兄や父親に負い目を感じ、兄は自由に行動する弟をどこかでねたましく思う。そんな二人の心がある事件を通して明かになり、二人の間にひずみが入る。
兄が想う女性がゆれる橋から転落したのは事故か故意か。同じ状況を見ても心に残る映像はそのときの感情によって変わってくる。真実は何なのか最後までそれがわからず、ゆれる兄弟の心を通して話は二転三転していく。そこがこの作品の最大の魅力だろう。
観る者はオダギリジョーの視線で物語の進行を見ていくが、途中どこかで香川照之の感情に惹かれていく。それは香川の演技の素晴らしさか、監督の演出の妙なのか。どちらにしても、最近ではなかなかお目にかかることの出来ない素晴らしい心理劇。CGを多用や派手な演出が多い今の時代に人間の心理に真正面からぶつかって行くこの作品は拍手喝采もの。
重いテーマながら観終わった後にどこかほっとする感覚も味わえる作品だった。
オダギリジョーの「兄ちゃん 家に帰ろう」と叫ぶ声(弟の想いが伝わったのかはわからないが)の後に流れるカリフラワーズの「うちに帰ろう」という曲もこの作品のテーマにピッタリで最高だった。
この作品の結末をハッピーエンドと捉えるか、引裂かれた兄弟の心を描いた悲劇と捉えるかは観る者の感情に委ねられる。そんな奥の深い作品だった。
新参者 DVD-BOX
テロや猟奇的殺人など物騒な題材を扱うものが増える中、一人の女性の殺人事件を地道に捜査していく過程をていねいに描いた一見地味な刑事ドラマ。 しかし捜査線上に浮かんだ様々な人々の壊れかけた家族関係を、事件とは違う側面で修復していくという、サスペンスというより日常にありがちな人間ドラマにひきつけられて、最終回まで見てしまいました。
本心を明かさず人の心を見透かしたような不敵な表情の加賀が、最終回では犯人に対し“罪を認め悔い改めよ”と正面から潔く言い放つシーンでは、何かしら胸がすくような感じがしました。
また「犯人がなぜ罪を犯したのか、その理由を解き明かさなければまた次の犯罪を生んでしまう」という加賀の言葉は、このドラマの底に流れる深いテーマでもあるような気がしました。
全編を通じて描かれた家族愛、特に父親と息子との関係が一本の柱のように筋を通して描かれており、最終回は阿部寛さんいわく“納得のいくラスト”だったと思います。
ワラライフ!! [DVD]
昭和の時代が良いカンジで描かれていると思います。
赤いハラマキ姿でタッタカ走ってきた吉川さんにまず爆笑!
居た!居た!こういうお父さんっ!みたいな・・・♪
あー・・・こういうまったりとしたなんでもない小さな幸せが実はとても大きいんだと改めて
思わせられる素敵な映画でした!