あ・うん [DVD]
「戦友」という言葉に私たち世代では、リアリティは持ちえませんが、生死をともにした生涯の親友、肉親に近い感情をともにいだき生きていく。夜間の大学出であることを気にしながらも保険会社で懸命に生きていく水田と美貌の妻、そして家族。もう一人門倉は結婚するも子は無く、妻ともあまりしっくりいっていないが、軍需工場を経営し、金はある。そして、門倉は水田の妻に純愛といってもいいほのかな恋情を抱いている。男と男の友情、水田の娘とやがて学徒出陣する学生との純愛、富司純子演じる水田の妻の美しさとつましさ。こんな世界がありうるのだろうか、と思わせるほど、日本的な世界がそこにある。少し大げさに言うと、それは日本的なコミュニティとも言える。向田邦子さんはこうした世界を描き続けた。「あ・うん」はその代表作ともいえる。サンスクリット文字では「あ」は
すべての始まりをあらわし、「うん」はすべての終わりを意味する。つまり、森羅万象ということになるが、私は映画とNHKドラマのビデオを何度も何度も見てきました。そこに日本人のふるさとを感じからでしょうか。
とまれ、秀作です。ちょっと俗っぽくて、笑う高倉健の姿はスクリーンではほとんど見られません。そんな意味でも貴重な映画です。少なくとも私にとっては。
日本女侠伝 侠客芸者【DVD】
以前、「ふじすみこ」さんは、ご自分の出演していたいわゆる東映ヤクザ映画を恥じ、作品のDVD化をいやがったり、娘さんには出演する作品は後悔しないものをと諭されたそうです。確かに後年の作品には、演技力を備えた実力女優の風格があります。ですが、「緋牡丹のお竜」やこの作品の「芸者・信次」のかっこよさや美しさは演技力や演出でどうこうできたものではないでしょう。この感じ、女性の方が受けるとおもいますけど。
お酒の神様に乾杯!! 1 (マンサンコミックス)
漫画『お酒の神様に乾杯!』はノンアルコールビールの新開発で一山当てようという
ビール会社の若者達の物語(強引な私的解釈)である。
ビールが高級品扱いだった大正末期の代用品ノンビアという第一次(wikipediaより)。
80年代の飲酒撲滅に便乗した第2次、味がいまいちの時代。
第3次、現代はノンアルコールビールのテイストで勝負する時代の到来。
まさに、上記のテーマをマーケティング物語として進展させている。
主人公達は、
酒の飲めない酒造メーカーの縁故採用の樽川勝、
酒をこよなく愛する深見沢雫(しずく)と
その後輩で三度の飯より酒が好きな水源(みずもと)美香の3名
実は、雫と美香は、天上界で酒の飲み過ぎで下界にお下ろされ天上人。
100名の酒を飲みたくても飲めない人間を救うというあがない(つぐない)を秘めている。
その100人目が勝であった。
この3名によるノンアルコールビール開発マーケティングの珍道中である。
それをディオニソス(バッカス)=酒の神が見守ているのだ。