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骸骨ビルの庭(上) (講談社文庫)
宮本輝は人気作家なので、あまのじゃくの私は読んだことがなかった。新聞などの書評に度々取り上げられ、男性であることを知って、興味を持ち、読んでみた。
期待以上に「うまい」と思った。
これといったドラマがある訳ではない。3ヶ月ほどの毎日を淡々とつづっただけとも言えよう。でも、ぐいぐい引き込まれた。
まず、骸骨ビルに居座る住人を退去させるために送りこまれた八木沢(ヤギショウ)に手渡された脅迫状に驚いた。家族の氏名と家族の無事を祈る文面で、脅迫めいたことは書いてないのに、本当に恐ろしいと思った。不謹慎な言い方だが、脅迫状として完璧だと思う。
ただ、弟夫婦の氏名まで…と書いてあるけど、そこが本文には登場していないのが引っかかる。妻の両親は書いてあるのだから、本文にそう書くのなら、不必要でも弟夫婦の氏名も書いて欲しいものだ。
戦後、なりゆき上仕方なく子ども達を育てることになった阿部轍正と、茂木泰造。二人は結婚することもなく50人ほどの子ども達を育てたようだ。
仕方なくではあっても、それが自分の生かされてきた理由(使命)だと信じ、ただひたすらに覚悟を決めて「親」を勤めてきた二人。
子どもを産んだからといって「親」になれる訳でなく、子どもを産んでなくても「親」にはなれる。子どもを持つ親の一人として、私はこのような覚悟を持って子育てしてきた訳ではない。恥ずかしく思う。子育てに愛情は必要だけど、愛情だけでもダメなのだ。
同じように育てても、同じように育つ訳でもない。愛情をかけても、まだ足りない、足りないと思う子もいる。
ヤギショウは、相手を無防備なくらい受け入れている。これほど素直にバカ正直なくらいに教えられた通りに実行する40男がいるだろうか!?
しかし、だからこそ彼は住民達に信頼され、受け入れられるのかもしれない。
この小説の根底に流れるのは、「待つこと」「演じること」だと思う。
待つことは、ヤギショウの上司がヤギショウが無事仕事を遂行し、住民たちが退去して行くことであり、ヤギショウが骸骨ビルの庭を畑にして野菜を育てることであり、茂木が阿部を告訴した夏美に骸骨ビルに帰って自分たち側に戻ってきて欲しいと思うことであり…いろんな人達がそれぞれの立場で「待っている」。
ただひたすらに待つことは、相手を信じることでもある。
「演じること」は、それぞれが自分の役割を演じることである。阿部は父親、茂木は母親を演じ、ヤギショウは気弱で無力な人間を装うと決めていた。比呂子も、子どもの頃からもっと幼い子ども達のために比呂子ねえちゃんを演じてきたはずだ。ヤギショウの妻もヤギショウの妻を演じて来た。
人間はみんな、自分という役割を演じるものなのかもしれない。
中国の古典文学がらみと恩師についても、作者が何か意図するものが感じられるのだが、それが何かは今はわからない。いづれ又読んでみたいと思う。
1Q84と関連したレビューもあるが、私はハリーポッターや20世紀少年と似ていると思った。それぞれの記憶が語られ、過去と現在が入り混じる。時系列にそっていない。
最後まで読んで、上巻の最初を読み返したら、茂木の訃報通知でありながらナナちゃんが「享年85歳」とVサインを書いていた、という文が目に留まった。本筋に入るまで流し読みをしていたが、こんなところに続いていたのか〜と少し心が癒された。「ナナちゃん、良かったね」と一言言ってあげたいくらいだ。
阿部と茂木が子ども達を育てるために骸骨ビルの庭で野菜を育てたように、ヤギショウも庭を畑にし、作物を育てる。畑をつくるための土つくり、草引き、害虫の天敵まで駆除しないように、みずやり云々…。そういう文章の中にも「待つこと」そして「育てること」を感じた。
毎日毎日畑を見て、世話をして、どうすればよりよく育つか。これって本当に教育そのものだ。
そこまで深読みしなくても、ガーデニングの参考になる部分は多いと思う。
又、ヤギショウも料理自慢だが、比呂子の料理が又絶品らしい。文中登場するいくつかの料理は、本当にこの店があるのなら行って食べてみたい!と思わせられる。
ただ、自分が「生かされている」とか「何のために生きているのか」ということを考えたことがない人には、阿部の気持ちは本当には理解出来ないかもしれない。
私も理解できている、とは言わないが、彼の気持ちはキリスト教だの仏教だのといった宗教ではなく、使命感に近いかもしれない、と思う。うまく言えないけど。
彼は、立派すぎて多くの人の嫉妬をかい、理解されず迫害を受けて失意の内に亡くなったのかもしれないが、自分が成すべきことを見つけ、それを遂行出来た彼は、幸せだったのではないか。彼の人生には、確かに意味があったのだ。
ヤギショウも、彼が出会った人達もみな、ひたむきに生きている。それぞれに重い人生なのに、魅力的な登場人物の人生を読んで、読後感は少しさわやかだ。茂木が亡くなった時のナナちゃんも、こんな感じだったのかも…。
結局、なぜ茂木が骸骨ビルを出て行ったのか、それは語られていない。回答が示されていないようで正直ちょっとガッカリ。でも、それは各人が読み取らないといけないんでしょう。
いづれ又読み返してみたい本。子ども達にも薦めたいと思う。
バッハ/ブランデンブルク協奏曲<全曲>
この曲の演奏では永久欠番として君臨しているこの録音は、
もう古楽とか関係なしに、音楽的に素晴らしい。
とにかく若々しく切なくて、ノッてます。楽しいの一言。
ブリュッヘンも光ってますが、総帥レオンハルトも三番ではすっかり
弦楽にのせられてしまい、ほとんどむきになって弾いてる感じw
音楽って素晴らしいなぁ、と常に感じさせてくれる最高の演奏です。
なお、この演奏は以前からずっと定番ですが、ソニーから97年に再発売
されたこのCDでは、ところどころ音が新しくなってます。
特に一番の金管なんか驚くほど変わってて、新たな発見がありました。
GRPオールスターズ・ライブ・フィーチャリング・ダイアン・シューア [DVD]
ここで目を引くのは、フルートで客演しているデイブ・バレンティンです。彼のオリジナル「アウェイクニング」で本領を発揮していますが、全身全霊をこめた彼の演奏は、身震いするほどです。ブルースフィーリングたっぷりに「レバレンド・リー」を歌うダイアン・シュアにも圧倒されますが、こちらも棄て難く、「レコードプラント」のイバン・リンス同様に、めったと見れない映像だと思います。フュージョンファンならば、この貴重映像は、はっきり言って「生唾」モノです。
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