ピストルズ
レビューの賛否が分かれることが、この大きな本が単なる
傑作以上の小説であることを裏付けているのではないか。
否定的意見の多くは、『シンセミア』からの隔たりによるものと思われる。
日本文学にフィストによる激しい一撃を加えた大傑作
『シンセミア』の続編として『ピストルズ』を読み始めると、
同じ作者によるとは思えない文体の違いに驚くことは確かだ。
徹底して下品で動物的だった前作にくらべ語り口が植物的というか
フェミニンなのだ。
しかしタイトルの音が「雌しべ」とも「拳銃」ともとれるように
この優雅な文体は曲者で、中毒性を持っている。
麻薬の効果は『シンセミア』の性的焦燥感に満ちた気配
(とそれからの解放)ではなく、アダム徳永的な、読書の
あいだじゅう続く包まれるようなゆるやかな高揚感である。
そして最後に訪れるその高揚から突き放される感じが
またたまらなく気持ちいい。まさに読書の醍醐味である。
みずきが操る秘術は作者が読者にかける小説の魔法にほかならない。
はたして、予定されているパート3は『シンセミア』の男性性と
『ピストルズ』の女性性が正面からぶつかる、夢のワールドシリーズの
様相を呈するのだろうか。
期待に胸ふくらませつつ、その準備としても繰り返し読むべき本である。
Another 限定版 第1巻 [Blu-ray]
普通なら起こりえない恐ろしい「現象」に抗う主人公達のお話です。このありえない超常現象みたいなものを観る人が受け入れられるかで評価が変わってくるのかなと思います。自分はアニメから入って物語が佳境に入ってから原作小説を買ったクチで、そのおかげもあってか1話から終盤まで観た時の緊張感、ハラハラ感、続きが気になる!感を大いに味わえてTV放送中は引き込まれました。背景も綺麗だしキャラクターもとても魅力的ですね。舞台は架空の町ですが、制作側が富山の町をモデルにしたらしくそれもこの雰囲気にとても合っています。そして音響のこだわりは凄いです。効果音なんかは1人でヘッドホンして観ててビビりました。
物語の大筋は原作小説と一緒ですが色々な所で原作と違う展開を見せてくれます。
綾辻作品でよくあるらしい叙述トリック(文章で表現する小説だからこそ出来る仕掛けみたいなもの)を映像で表現することに疑問の声があったみたいですが、アニメはアニメである仕掛けがあったり、うまく表現できてたと思います。しかし映像で表現する分、もし先に小説を読んでたら主人公のモノローグの描写など説明不足な所をちょっと感じるかもしれない。後から小説を読んで「なるほど、ここはこういうことだったのか」と補完する楽しみはありましたが。
その点でいうと観た後で小説既読の人、漫画も読んでた人、アニメしか観てない人でそれぞれ印象が変わってくるだろうと思います(ついでにいうと終盤のアニメオリジナル展開も賛否両論のようです)。考えてみたらアニメ版はある意味一番「エンターテイメント」しているかもしれない。
いとうのいぢさんが描いたケースのデザインはなんかフツーだな・・と感じましたが(失礼!)、限定版に付く全巻収納ボックスの方はなかなかオーラがあります。いままでの版権絵を使った死ヵ月カレンダー三枚(ジャケットと同じくらいのサイズ)も綺麗でなかでも4人が寝そべってる絵は好きです。欲をいえば、映像特典をもっと充実させてほしかったし、特典サントラCD付けたりとかしてほしかったかな。
ラストエスコート -Club Katze-(通常版)
キャラはいろいろなタイプがいてよいと思うのだけど、
皆さんが書かれているように、脚本がいまいちでした。
乙女ゲームに求められている萌えというか、ときめきがないというか。
主人公の言葉遣いが、マダムみたいなのも・・・(^^;)
ceroDならではのきわどさもなかったし。
上半身裸というだけでドキドキもしなかったし、むしろB判定の
「フルハウスキッス2」のほうが、きわどかったように思える。
ボーナスエンドも三人見たけど、よかったねーーー♪と感情移入も出来ず。
ホストとの恋愛というシチュエーションは、なかなか面白いし、
シャンパンコールにも大笑いさせてもらった。
ただ、感情移入して、甘い気分に浸れる様なところがもっと欲しかったなぁ。
プレゼントのレシピをそろえるのも結構一苦労して、誕生日に必須アイテムが
そろわないで、何度も同じ人にチャレンジしたりして。
不毛だなぁ・・・と思いつつも、やはり全員クリアを目指そうと
がんばっています(^^)ゞ
あとは、レイさんだけです。
ライブビデオ ネオロマンス■フェスタ 12 [DVD]
直接イベントを観た方たちがブログに載せてた「NGワードDEトークバトル〜成田さん孤立無援編」がそっくり抜かれていてかなりがっくりきました。なので星一つマイナス。ものすごく期待してたコーナーなんかが抜かれると、他のチャプターは満足できてもやっぱり不満は消せません。それとネオロマ音頭は正直もうやめて頂きたいです。サムイので。これより前のイベントに行かれた方たちの感想を見る限り、確かネオロマ音頭と『戦国アンジェリーク』が同時に披露されたと思いますが、あの漫画は間違っても見ないと思ってても、どうしてもこの二つは連想してしまってげっそり度跳ね上がります。ネオロマのゲームやトーク自体はすごく好きなので、コーエーさんにはすこーし立ち止まってファンの気持を汲んで頂きたいです。