のだめカンタービレ ベスト100 (通常盤)
ほとんどの曲が全楽章聴けて、しかもこの値段、初心者には非常にありがたいと思う。
初心者はあまり聴かない「エロイカ」やドヴォルザーク8番、ブラームス1番といった交響曲をこれほどポピュラーにした功績は大きいんじゃないかな。1950〜60年代の古い録音ながら、音質もなかなか素敵だった。
でも唯一「スプリング・ソナタ」の音質だけは汚くて許せなかった。あとブラームスの変奏曲集めて無理やりベスト100にしたのはセコイかな。
行正り香監修 ラフマニノフ for DINNER&DRINK~ロマンティックなディナーとお酒に
音楽のある暮らしがしたくなったものの、「これを聴く!」というのではなく
BGMとして気分良く流しておきたいという願望なので、何がいいかなと思っていたところ、
このCDに遭遇。お酒や食事を楽しみながら、おいしく聴けるように編集されているので、
聴きやすくていい感じ。もともと音楽好きの方には向かないかと思いますが。
特にクラシック初心者にはいいのではないでしょうか。
ジャケットのデザインも素敵。
他にモーツァルト、バッハがありますが、私はこれでラフマニノフに目覚めて
しまったので、ここで評価を書いています。
コンクールでお会いしましょう―名演に飽きた時代の原点 (中公文庫)
時代によってピアノ演奏に求められるものが変遷していきます。
リストやショパンの時代、他人の曲でも自己流に弾くことが求められていました。
アレンジすることで、人々は熱狂した。
ところが録音技術が発達すると、即興は原曲を間違って弾くことと考えられるようになり、
ピアニストは、正確に弾く技術を求められるようになる。
そして現代はプラスα。映画になりそうなその人の人生ドラマが売れる切っ掛けになる。
そして作為的にルックスのいいピアニストを養成しようというビジネス企画すら起こる。
非常に読みやすく、中村さんが等身大で著名ピアニスト達を描くので
芸術家といった重苦しい雰囲気がありません。
両親が音楽家であったバレンボイムは「人間はみんなピアノが弾けるものだ」と信じて
子供時代を過ごしたとか。有名ピアニストなのにそう見えない風貌の写真も載せられていて、
読んで楽しい内容です。
チャイコフスキー : ラフマニノフ:ピアノ協奏曲
チャイコフスキーもラフマニノフもどちらも優れているが、ラフマニノフの方が会心の出来ばえ。中村紘子のピアノはテクニックも素晴らしいし音色も美しいが、少々ドライでオケに比べて歌いこみがいまひとつという感じがする。だが、それがかえって、この演奏の場合、オケとのバランスを保つのに一役買っているような不思議な感じがする。どちらの協奏曲も、オケは大編成で、ピアノ協奏曲というよりも「大管弦楽団とピアノのための大交響曲」という感じがする。特に、ラフマニノフのオケ(ソヴィエト国立交響楽団)は聴きもの。これでもか、というくらい一音一音に生命が吹き込まれていて、それぞれのフレーズが大きなうねりとなって、聴く者の耳を襲う。音の大洪水という感じ。どんなに歌いこんでも、それがいやらしくならないのは、ラフマニノフの音楽が指揮者と楽団員の体に染み付き、自然に表現されていて作為的なものがないからなのだろう。後年、スヴェトラーノフが録音した、ラフマニノフの交響曲第2番も同様で、この指揮者のラフマニノフの解釈が一貫したものであり、不変であったことを示しているようだ。同曲のCD,生演奏をいくつも聴いてきたが、この指揮者とオケのコンビによる演奏を超える演奏を、私は今まで聴いたことがない。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番だけを評価すれば間違いなく★★★★★(★5つ)です。(ラフマニノフの最後の最後で、トランペットがフォルテシモで思い切り音をはずしているのに、そのまま商品化してしまうのも、ロシア・オケらしい、と納得させられてしまうのは何故だろうか?)