Grand Prix [VHS] [Import]
~レース映画を語る時、絶対に忘れてはいけない一本。
当時のレースシーンが良く分かるが、もちろんストーリーも面白い。
当時のレーサーがいかに一匹狼的存在だったかが分かって興味深い、また、悪役に徹したフェラーリがいい味をだしている、こういう役回りはフェラーリならでは。
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また、主人公のチーム「ヤムラ」は当然ホンダがモデルであるが、実際に画面にうつる車はF1デビューしたてのマクラーレンである。
とにかくレースシーンは迫力の一言。公開当時、これを劇場で、しかもシネラマでみた人は幸せもの。
国内版のビデオもなく、DVDも発売されない本作。もはやこれを買うしか見る方法はありません。~
1998: La Storia Di Sabato
73年作。イタリアのプログレバンドTRIADEの唯一作。キーボードトリオ編成。クラシカルなオルガンが疾走、しっかり従うベース・ドラム。攻撃的になっても、はめを外さず地味なプレイに徹するようなところが個性的。多くのEL&Pタイプとは目指す所が違うように思う。A面は現代音楽的なアプローチが強く、冷たく知性的な印象。ピアノによる美しい場面とアコギによるフォーキーな場面は、イタリアらしい浪漫と優雅さに満ちている。チェロを使うのも特徴。全体的に地味なアルバムではあるが、その気品があって奥ゆかしいところに妙に心惹かれ、個人的にはかなり気に入っている。特に6と7は泣ける。
1〜4の4曲のインストは「SABAZIO」という組曲。一部「nascita」は神秘的な静寂から不気味に滑り出すチェロ。そしてオルガン中心の邪悪な演奏が駆け出す。二部「il viaggio」は不穏なオルガンとチェロにチェンバロが重なる場面が怖い。暗雲たちこめる雰囲気から一転、終盤は救済の光が差し込む。三部「il sogno」は更に前衛的なムードを強め、ビブラフォンを使った即興的な演奏も挟む。青ざめていくようなオルガン。四部「vita nuova」は湧き出す泉のような、華麗なピアノソロ。ため息が出る。「IL CIRCO」はクラシカルに力強く駆けるインスト。「ESPRESSIONE」は寂しそうなボーカル、格調高く気品あるピアノ、枯れ果てノスタルジックな響きのアコギがそっと落涙を誘う。絶品です!ピアノが突然重たくなってクラシカルに畳み掛けてくる所など、思わずハッとする美しさ。「CARO FRATELLO」はオルガンが猛々しく突進する冒頭部と、アコースティックで切ないボーカル部の落差が劇的。血が熱くなったかと思えば、たそがれ憂愁に包まれる。最後のオルガンソロは目の前に古めかしい大聖堂でも現れそう。カッコイイ!「1998」はフォーキーで素朴な味わいがありつつも、オルガンやチェンバロは厳めしい。