アメリカの夜 (講談社文庫)
この作者の作品として、3冊目に読んだ本であり、一番最近に読んだモノでもあります。「インディビジュアル・プロジェクション」が最初で5~6年くらい前に読んだのだけど、むしろこのデビュー作の方が私には面白かったです。というのも、この主人公みたいな人本当に知っている気がする。というか「こんな人いたな・・・」と思い出しながら読んでいたので、なんだか知り合いの過去の実録を眺めているようでグッとくるものを感じました。いずれにしても、最高にカッコ悪い主人公っぷりはもう涙がでそうなほど、哀しくも面白いです。やたら読みにくいとの感想が目立ちますが、途中のやたら長い引用文は別にとばして読んでも十分に話は理解できます。誤解のないように言っておきますと、私は一応読みましたけどね。
ライフ・アクアティック [DVD]
ビル・マーレイ演ずる冒険家スティ-ヴ・ズィスーの冒険映画。
このスティ-ヴ・ズィスーが無茶苦茶。
セクハラ、窃盗、喧嘩、無謀、見えっぱり、胡散臭い、ナルシスト。
だけど、愛せずにはいられない。
『人生は必ずしも上手くいくことばかりじゃない。』
でもこの男を見てたら笑い飛ばせそうになる。少し泣いた後で。
ウェス・アンダーソンらしさは満載。
意味なく印象的なカット。ニヤリとするユーモア。
人間関係の修復。
音楽は秀逸。凄いとしかいいようがない。
イギー・ポップの「サーチ&デストロイ」の使い方は映画史に残る!
冗談ですが。
個人的には、名優ウィレム・デフォーの愛すべき演技がツボにはまった。
後、エンディングでの長回しのカットでは泣けてきました。
後、デビット・ボウイのファンになります。
愛すべき、愛すべき映画です。
沢山、映画をとってくださいウェス・アンダーソン監督!!
たけくらべ 現代語訳・樋口一葉 (河出文庫)
独特の文体・表現は残しつつも読みやすく現代語訳されている感じがしました。
内容を理解しやすくするにはもっと砕けた方がいいんでしょうが、そこは原文の雰囲気を残すために
あえてそうしなかったんだろうと思います。
ガッツリ読むスタイルが苦手な自分でもすっきりと読み終えることができ、内容も理解しやすかったです。
とりあえず樋口一葉の作品を読んでみたいという人にはおすすめの一冊です。
THE SMAP MAGAZINE (マガジンハウスムック)
この値段でこの豪華さ!写真が多く、どれも本当にカッコよくて素敵です。そして皆さんが書かれているように、愛用のカバンとその中身がとても興味深かったです。なかなかSMAPのカバンの中身は見られません。誰のカバンとその中身なのかを当てられるようになっていますが、これはSMAPファンなら、きっと分かると思います。扇子、リーバイス、おもちゃ!・・・誰のものかすぐ分かりました(笑)。
森且行くんがいる頃からのファンですが、こんなに長い間、心ときめかせて、ワクワクさせてくれる存在は、後にも先にもないのではないかと思います。彼等はとにかく大人でプロのエンターテイナー。いつもファンがこう在って欲しいと願うSMAPで在り続けようとしてくれる。これからもずっと同じSMAPでいると信じさせてくれる。でも決して同じ場所には留まらず、いつも何処かへ向かい、進化し続けている。 SMAPと同じ時代に日本に生まれ、これからもSMAPと同じ時を生きていけることが幸せです。
季刊 真夜中 No.15 2011 Early Winter 特集:物語とデザイン
ひと味違う季刊の文芸誌。ナンバー15ということだが、創刊以来、欠かさず購入している。毎回、特集に工夫を凝らしているのが特長だけど、今回は、物語とデザイン。サブタイトルは「創作・明日の絵本」。
もともとデザインにはこだわりのあるこの雑誌だけど、今回は特にそう。絵本(というか絵のある物語)がいくつか収録されているが、その中でももっとも良かったのが、祖父江慎の「ピノッキオ」。知らない人はいない「ピノッキオ」だけど、今回収録されている物語は、最初に書かれたものだそうで、私が知っている人情味あふれるストーリーとは違うとてもブラックなピノッキオ。まさに大人の絵本。絵もそんなブラックなピノッキオにふさわしい。
そのほかでは、長島有里枝と内田也哉子の「子供の絵本、私の絵本」が良かった。子供にも大人にも読ませたい絵本の数々を写真と対談で紹介している。
次号はリニューアルに向けて休刊ということだが、リニューアル後も期待したい。