ゲルニカ:リライティング・ヒストリー 1982 1989 [DVD]
自分もそうだが、「ビジュアル表現込みで初めて“ゲルニカ”だ」と考えるファンにとっては、マストアイテム(太田さんも一瞬出てるよ)と言える。
但しタイトルは悪フザケが過ぎるというか全く不適切。実質的に1988年再結成時のライブDVDと考えておいた方が良い。画質・音質ともに話にならないもう1本のライブを含め、その他は全てオマケである。上野耕路ファンには、楽しめるかも知れないが。
それにしても、こんな曲を平然と歌いこなせる戸川純のライブパフォーマンス&存在感は凄過ぎる(まあ、一瞬の失敗はご愛嬌。とちった瞬間の純ちゃんの表情が好き…てな変態ファンには、このあたりもたまらない魅力だろう)。そして、上野耕路の生ピ。ライブ演奏だから文字通り生ピである。貴重。
ゲルニカ ピカソが描いた不安と予感 (光文社新書)
素晴らしい本が出た。今年はゲルニカが描かれて70年。噂に聞くところによれば今年はまたピカソの大規模な展覧会が日本で開催されると聞く。先日は「美の巨人たち」で『ゲルニカ』が取り上げられていた。まさにグッドタイミングな時期に出たのがこの本。主題は『ゲルニカ』だが、ピカソの全画業をも視野に収め、ハンディな割には、ピカソの全貌とは言わないまでもほぼ概略を把握できる。様式史や、意味論から『ゲルニカ』を読み解く手さばきはさすが気鋭の美術史家だが、何より面白いのは『ゲルニカ』にある種のすわりに悪さを見(そう思っている人は多いのではないだろうか?どこかキッチュめいている、真面目な反戦画のはずなのにどこか滑稽なところがあるなどなど)、それが『ゲルニカ』の何に由来するかを「オリジナリティ」、「歴史画」、「戦争画」の観点からフレッシュな視線で解き明かしていることだろう。「オリジナリティ」のところでは『ゲルニカ』の多義性が、「歴史画」のところでは中世のイコンとの比較から、『ゲルニカ』が祈念図として描かれたのでは、という新説が、「戦争が」のところでは一枚の絵を読むことの困難さと喜びが、精神史的な視点も交えて書かれていて、刺激的。そして感動のラスト。読後にはさわやかな感動と涙がある。ピカソに興味のある人、スペインに興味のある人、絵画に関心のある人、そればかりではなく、今を生きる「私」に迷いを抱いている人に特にお勧めしておく。なぜか?それはラストを読めばわかります。
戸川純 TWIN VERY BEST COLLECTION
映画”モダンタイムス”や”ブラジル”を音楽化したような ゲルニカ 時代のアイロニカルモードが大好きで(他は正直好みでない) 当時 カセットテープにダビングしてもらったものを聞いていました。 あらためてCDで聞きなおすと歌唱力・音楽性・アレンジを含めた音質ともに 驚愕しております。ゲルニカ時代の曲もたくさんクレジットされていてうれしい限り。 また、基調となっているシンフォニックパートが 似非 オーケストラだと(いまさら?)分かって,なおビックリ・・・
かつて聞いたことがない人には お勧めできる類のものではないです。 少しでも自分のメモリに残っている人は、今/CD音源で聞くことをお勧めします。
TOGAWA LEGEND SELF SELECT BEST&RARE 1979-2008
最高です。改めて戸川純の偉大さに感動しております。
このレジェンドで終わることなく永遠によき歌をぜひお願いいたします。
「神聖ムウ帝国亡国歌 」 「青銅の軟体」 「恋のコリーダ」
等々 すべての楽曲との出会いに感謝する次第です。
歴史は1人の天才で変えられると言いますが、まさに彼女の存在は
その独自の世界観からも歴史上の奇跡と言って過言ではないと思います。
「どんなジャンルの音楽がお好きですか?」と聞かれたら
「戸川純」と答えられる確かな世界がここにはあります。