バラッド3 ~the album of LOVE~
私はこのアルバムを、だいぶ前に母親から借りて聴きました。今もこのアルバムを聴きながらレビューを書いています。実は私が邦楽に興味を持ったのはこのアルバムがきっかけでした。それからサザンを含む色々なアーティストの曲を聴くようになったのです。
このアルバムは、収録曲が全体としてまったりした湘南の雰囲気を体現しているようで、聴いていて非常に落ち着けます。癒されると言ってもいいかもしれません。リラックスできるんです。
しかし一方で、『希望の轍』や『LOVE AFFAIR』と言ったややテンションの高い名曲も収録されており、そちらはそちらでまた別の愉しみを見つけ出すことができます。
また、バラッドと銘打つだけあって、バラード系の曲も充実しています。個人的に好きな曲は『逢いたくなった時に君はここにいない』、『素敵な夢を叶えましょう』などです。物悲しくなると同時に、はじめに書いたように、どこか落ち着けるのです。
もう一つ付け加えると、これはサザンのどのアルバムにもいえることですが、この値段でこれだけの曲が聴けるというのは非常にお買い得です。他のアーティストなら、これだけの曲を聴こうとすれば優に倍の値段はかかります。サザンの皆さんの、商売よりもファンの方々に曲を聴かせたいんだ!という思いが伝わってくるようです。
このアルバムを聴いて、皆さんに合った曲を見つけてください。
舞踏会の手帖 [DVD]
すごく古い映画だから仕方がないと思いますが、非常に画質が悪いものでした。
特典のスタッフ・キャスト紹介、作品の解説も詳細な情報がなくて残念です。
北イタリアのコモ湖畔の邸宅に住む未亡人クリスティーヌがヒロイン。
夫を亡くしたばかりの36歳のクリスティーヌは、裕福だが子供も友人もいない孤独な女性。それまでの彼女の歩んできた人生、夫との結婚生活がどんなものだったのか、冒頭のシーンだけで想像できます。
20年前、クリスティーヌが16歳の時に初めての舞踏会に出たとき、自分に愛を囁いた男性達を一人一人訪ね歩いていきますが、歳月の流れの残酷さと現実の厳しさを知る自分探しの旅です。
以前から名画だということを聞いていましたが、今回が初見。
誰でもが人生の節目や辛い時に立ち止まってふと考える「もしあの時〜だったら?」美しい過去を思い起こして過去に出会った男性を訪ね歩く、それを映像化した味わい深い作品だと思います。
記憶というのは美化されるもの、昔美しかったものが時を経て改めて見るとその落差に気づいて愕然として幻滅するものでしょう。
クリスティーヌが、自分の生き方を模索して新たな生き方を見出していく過程と帰結は、現代にも通じる普遍のテーマかもしれません。