御宿かわせみ選集 第一集 [DVD]
「御宿かわせみ」と言えば、もう20年以上にわたり多くのファンを持つ平岩弓枝さんの作品です。元は八丁堀の鬼と呼ばれた同心の娘で、今は大川端のかわせみと言う小さな宿の女主人をしている「るい」と、その幼馴染で与力の弟「東吾」。このふたりの切ないながらも一途な恋を縦糸に「かわせみ」に纏わる様々な人たちが巻き起こす事件を織り込みながら、江戸の情緒を紡ぎだす作品です。「御宿かわせみ」も幾人かの方々に演じられて来ましたが、連続物としては初代にあたるこの作品は、原作に忠実に、実に丁寧に作られた作品として多くのかわせみファンの間でも評判の高い物です。中でも一番人気の「江戸の子守唄」の入った第一集 は必見に値します。今は亡きハナ肇さんが娘を思う父の愛を演じた「秋の蛍」も入っており是非お勧めいたします。
千姫様 (角川文庫)
初めて平岩弓枝さんの作品を読みました。千姫と実在していない
お付の三帆との関係・・・。大阪城落城後の秀頼生存説・・・等々
とても面白く一気に読破してしまいました。大奥好きで時代物が
好きな(この作品は千姫の恋愛小説的な所もあるので・・・)女性にお勧めの一冊です。読んでいくうちに自分が千姫になったような気分になるし、お付の三帆の立場で読んでもまた違う思いになるかもしれません。
小判商人―御宿かわせみ〈33〉 (文春文庫)
今回も楽しませていただきました。
少しずつ移っていく時代背景とともに、登場人物の成長や、気持ちの変遷に
いつもながら感じ入ります。
基本短編集ですから、一話ずつ時間のある時に楽しんでいます。
御宿かわせみのシリーズは文庫本が出るのをいつも楽しみにしています。
女性ならではの心の描写に、ぐっと来ます。お勧めです!
シリーズの最初から、何度読み直しても面白いですよ。
NHK大河ドラマ総集編DVDシリーズ 新・平家物語
若き日の仲代達矢扮する平清盛の乾坤一擲の気迫と、斜陽化してからの、やることなすことすべてが裏目に出るという閉塞状態が、子供心にも、強烈に焼き付いている作品だが、残念ながら、ここにあるのは総集編であり、当時は、総集編の作り方も未熟であったのか雑であったのか、所々、わかりにくい部分があり、特に、人間模様などの、説明が必要とされる部分でそれが顕著であるようである。
ところで、この作品を見ていて、ふと、思ったのだが、「平家は頼朝を助けたばかりに頼朝によって滅ぼされてしまった」という、巷間言われる「情けが仇」の見本のような話があるが、清盛が源氏の幼子を助けたというのは、決して間違った判断ではなかったのではないか?
なぜなら、保元・平治の乱という熾烈な権力闘争の後、人々は新しく権力者として登場してきた「武士」という武力を持った新興階級に対し、著しい不安感を持っていたと思われ、遺児らを助けることは、まずは、それら不安感の払拭に効果があったと思うからである。
(現に、清盛死後、平家を都から追ったのは、頼朝でも義経でもなく木曽義仲なのである。)
もっとも、ここまではいいとして、私が疑問に思うのは、なぜ源氏の嫡男を伊豆へなどなど流したのか?ということである。
関東は元々、源氏の地盤であり、今は平家に靡いているとはいえ、湿った火薬庫に火の気を投げ込むようなものではなかったか?
私なら、頼朝は京に留め置き、貴族制に代わる武家政権の樹立という源平共通の利害目的を掲げ、その上で、一門の娘をあてがい、平家一門(武家側と言い換えてもいいかと)に取り込む。
それができないのなら、せめて、源氏の基盤である東国ではなく、平家の基盤である西国へ流すべきだったのではないか。
清盛も、まさか「伊豆」と「伊予」を間違ったわけでもないだろうが、何とも腑に落ちぬ選択である。
横浜慕情―御宿かわせみ〈27〉 (文春文庫)
「横浜慕情」 源太郎、花世らを連れて外国船で賑う横浜を訪れた御宿かわせみ一行。身包みはがされて、首をくくろうとした英国人船員を子供達が助けます。そして、その外人のために、東吾が一肌脱ぐことになる話。
「鬼ごっこ」 江戸情緒の他に、横浜の異国情緒が花を添えた、子供の頃別れた母と娘の切ない行き違いを描いた話。
ほか「烏頭坂今昔」「鬼女の息子」など6篇を収録。