ドグラ・マグラ (まんがで読破)
本屋の立ち読みで10分くらいで読破してしまいました。
原作をすでに読んでいますので、「まあこんなもんか」という内容でしたが、限られたボリュームの割にはよく久作ワールドを表現していると思います。最後は頭が少しくらくらしましたし。
絵のタッチも個人的にはイメージとあってて良かったと思います。
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夢野久作氏、原作の「少女地獄」の一部が映画化されている。
ふんわりとした白黒の映画にレトロ感が漂う凝った撮り方だと思った。
あまり原作の雰囲気は感じられなかったが、
シーンとしてちゃぶ台に向かい合う2人の男女の重苦しい沈黙がただひたすら続く。
そこが夢野作品らしさを出していたと思った。
台詞の表現より、沈黙を表現として出した「ドグラ・マグラ」の映像化と対照的で
面白く感じた。原作は知らなくても他の作品として楽しめると思う。
ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)
世の中には奇書と呼ばれる書物があります。常識という観点では理解し難く、
むしろ常識という物の危うさを逆に揺さぶってくる危険な作品の事です。
この本はまさに奇書中の奇書といえると思います。
狂人の書いた推理小説という設定、胎児の夢、輪廻する世界。読み進めるうちに
誰が正気で誰が狂気か、何が本当で何が嘘か、時間間隔も失われ、もはや判断する
気力すら奪われていきます。
他人の心について無責任に語る前に、自分自身の心の軸がどちらの世界にあるか。
この本を読めば答えが見つかるかもしれません。
尚、実験映画の雄松本俊夫氏によって映画化もされています。桂枝雀師匠の狂いっぷりは圧巻です。
ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)
絵でいうなら、だまし絵。音楽でいうなら、FAUST、COIL,NWW。フロイドのいう、夢の作用。作家はあえてつじつまを合わせようとせず、背後にある、読者の深層心理を刺激します。読む人によって、感想という以上に、何が論点になるかすらもはぐらかせられます。現実という足場を完全に踏み外した、正に異端の文学。しかし、途中でDNA的な記述は先端なのか、作家の先見なのか、無茶苦茶面白いです。