“It”(それ)と呼ばれた子 幼年期 (ヴィレッジブックス)
まず、筆者であるデイヴ・ペルザー氏の“生きる力”の強さにとても感動しました。それが感じられたから最後まで読めた気がします。この本の後に3冊出ていますがそちらも一緒に読む事を強くお勧めします。
読みながら実際にこんな事が起きたのか?と確認したくなる事が沢山書いてありました。確認する為再度読むのも恐ろしい程、本を読みながら吐き気を感じたのは初めての事でした。純粋な子供であるがゆえに昔の優しかった頃の母親を信じ、その度にこれでもかと言う程裏切られ、たまらなくなって涙が止まりませんでした。なぜこんなにも狂ってしまったのか、母親の過去があとに続く本で知る事ができますが人間はこんなにも恐ろしい生き物に変わってしまう怖さと同時にペルザー氏からは人間の強さを知りました。
教育の怖さも知ったような気がします。回りの兄弟達も危害は加えられていなくても加害者であり被害者でもあると思いました。
あの状況で強く、たくましく、大人達からの偏見や世間からの冷たい言葉にもめげず生き抜いてこられた彼の勇気と強さに、強く強く心を打たれました。そして愛情を受けずに育った彼が人を愛し、我が子を愛し、自分と同じような事が二度とないよう、活躍されてる事は本当にすばらしい事だと思います。
これからの彼の人生が愛情にあふれ、暖かい家庭を築いていける事を心から願っています。