千波万波 画業30周年&「雨柳堂夢咄」連載20周年記念集 (ソノラマコミックス)
回覧しました。
話の筋のくみたてかたは、ミステリーの手法でもあって、最後まで読むと全体がみわたせます。
連作ならば、次はどうなるのだろうか、という興味がつづくことになります。
ノヴェライズしても充分なのではないでしょうか。
ワインの匂い(紙ジャケット仕様)
紙ジャケット仕様で発売されたので購入、約20年ぶりに聴きました。
前2作に比べて小田節が確立した感があります。恐らくピアノで作曲したのでしょうが、すでに世界観を確立した感じのある鈴木氏の作品とのバランスがとれていて、2人でオフコース、2人がオフコースだと感じるアルバムに仕上がっていると思います。これ以降はオフコース=小田氏のイメージが強くなってきますが、この作品がジャケットを含めて2人の最高傑作ではないのでしょうか。(余談ですが、ジャケット写真が1つの作品としても素晴らしいと思いません?ニルソンシングスニューマンと並ぶ傑作ジャケットですねぇ。)
時代は感じますが、1度聴いてみて下さい。
眠れぬ夜を抱いて~オリジナル・サウンド・トラック
ドラマを何度もみかえして、ああやっぱりいい、と思う人には非常にオススメ。オープニングテーマのほかに、悲しかったり考え込んだりのあのシーンのバックミュージックが楽しめます。悠子になりきりたい人、なれますw 自主映画やドラマ、ドキュメンタリーを撮りたいと思うような、私と同じような心境の人にも是非聴いていただきたいサントラです。
ただ、ひとつ残念だったのは、大出類子の回想シーンや謎解きのシーンで大いに使われたリズミカルな曲が入っていなかったこと。あの曲は外しちゃだめでしょう・・・ということで星3つにしようかと思いましたが、やはりここは大好きな曲万歳ということで4つに。
眠られぬ夜のために〈第1部〉 (岩波文庫)
「人生や人間関係について深刻に悩んでいるのは、かっこ悪い、
楽しく自然体で生きればいいんじゃない?」という今の風潮に、
どことなく馴染めずにいる方、是非この本を読んでみてください。
私は高校時代にこの本を買って読んだ時は、それ程良さがわか
りませんでしたが、社会に出ていろいろな壁にもぶつかり、人生
について考えることが多くなった今読むと、本当に心が洗われる
気がします。先人の知恵を借りて、この時代を生き抜いていきた
いと素直に思える本です。2も同様に素晴らしいです。
眠れぬ夜を抱いて (幻冬舎文庫)
夫婦愛を軸に据えた復讐譚で、スポーツ新聞への連載小説を単行本化したエンターテインメント。背景としてバブルの時代とその後の建築業界や、海外放浪などが織り込まれている。
冒頭の銀行強盗シーンが何の伏線かがなかなかはっきりしないあたりは巧い展開である。主婦が活躍するあたりは「リミット」を彷彿とさせる。しかしストーリーとしては何となくどこかで読んだような気がしないでもない。
三組の夫婦とそれ以外にも複数の男女関係が出てくるが、どれもが濃密な関係でありやや違和感がある。これは著者の日常なのか、はたまた反省なのか。テーマを強調するあまり、こうなってしまった感じがする。個人的には夫婦愛よりは、「清澄」「中之森」という土地が舞台になっていることが気になった。野沢ファンならすぐにおわかりだと思うが前者は「青い鳥」、後者は「眠れる森」というテレビドラマの舞台になった土地である。野沢ファンにはより楽しめる仕掛けである。