ことばはちからダ!現代文キーワード―入試現代文最重要キーワード20 (河合塾SERIES)
載っている言葉をいくつか上げると日常と非日常、意識、認識などと基礎単語をメインとして扱っている。(もっと難しい言葉も載っているが)
これらの意味が分かるのであればもっと難しめの書を買って良いと思う。
おススメはZ会のキーワード読解。
説明に関しては噛み砕いて分かりやすい。
他の類書と比べても一番噛み砕いていると思う。
文章の中で実際に覚えた言葉の意味をとらせているがその文章に対する説明も詳しい。
他の書だと文の説明が一切無いものなんかがある。ex)明治書院のキーワード300
箱男 (新潮文庫)
不条理小説の醍醐味とは何だろう。密度の濃い暗闇にぽおーんと放り投げこまれてしまう、リスキーな快感ではないだろうか。前進しているのか後退しているのか。落下しているのか上昇しているのか。理性や常識という名のフックが見当たらないので不安定の連鎖現象が起こる。箱の中にいる「ぼく」は誰なのか? 作中人物なのか筆者なのか全く見知らぬ者なのか。「ぼく」が話しかける「君」は箱の外にいる人、箱の中にいるもうひとりの自分、読者・・・。箱の中には何があるのだろう。箱の外には何が広がっているのか、あるいは窄まっているのか。そもそもこの文章を書いている「ぼく」は誰なんだろう? フランツ・カフカの諸作品同様にどの時代をも超越した不条理小説の佳作である。
砂の女 (新潮文庫)
ある中年の男が、砂に埋もれかかっている部落に昆虫採集に来るところから物語は始まる。そこで男は未亡人に捕まり、一緒に生活し家を砂の被害から守る手伝いをする羽目になる。徹底した砂のリアリズム描写は読むものを圧倒します。シチュエーションが全くナンセンスであるにもかかわらず、読んでいくうちにこんな部落が現実に存在するのではないかと錯覚してしまいます。非常に深いのでじっくりと読んでください。
こころの声を聴く―河合隼雄対話集 (新潮文庫)
村上春樹、安部公房などの名前が載ってたので買ってみました。
10人の日本を代表する文人との対話集なんだけど、対話のレベルが高いのでただの雑談めいたインタビューとはわけが違います。河合先生は、本という物、読むという行為について一人一人対話されてるのですが、わかり易く心理学をひきだして話されてるので非常に読み易い。
村上春樹が普段語らない様な幼い頃の両親の記憶から小説家になるまでの経緯などを詳しく話してたりとか、その他にも勿論興味深く内容の濃い話ばかりで476円の割りにはかなり楽しめました。小説が好きな人なら、今まで以上に違う視点で読む事を楽しめるようになれる一冊です。
河合先生はやっぱり凄い!
The Woman in the Dunes (Vintage International)
欧米にもジレンマという概念があるので、砂の女を英語にするのは、それほど難しくなかったのかもしれません。
日本語で読んでも、意味は少しわからないところがありましたが、
英語で読んだ方が、ああ、そういう意味にも取れるんだと、意味が逆に取れることもあります。
著者の意図かどうかはわかりませんが、一人の読者の読み方であることは確かです。