伝統の一戦 巨人VS阪神70年史 [DVD]
本作は巨人・阪神戦の歴史の中から名場面を選りすぐり、巨人サイドから光をあてた巨人版。私は巨人ファンだが、阪神版も購入し、本日巨人版を視聴した。前半は私が初めて観る映像が多く、それだけで満足。動く沢村の映像、州崎球場での試合など、よくフィルムが残っていたと感心する。プロ野球史の輝く2巨峰ONの名シーンはさすがに多く、2人の偉大さに敬意を抱く。天覧試合はもちろん、畳が擦り切れるまで王が素振りを繰り返す練習場面も収められている。王の一本足打法完成直後の猛爆発のシーンは私にとって初めて観るものであり、凄いの一言につきる。
一番時間を割いているシーズンはV9最後の1973年。阪神池田の世紀の落球、10月10,11日の名勝負など、久々に見る映像は感涙もの。その他、槙原の初登板・初完封や江川のエースぶりなど、リアル・タイムで体験できた名試合の数々には興奮が蘇る。大スターだけでなく、V9のメンバー紹介、川相の犠打の記録など、脇役たちにも目を配っているのが嬉しい。総じて、詰め込みすぎの感を受け、昭和20年代の場面が少ないのが本作の惜しい点だが、歴史的試合・シーズンをフルに収録したDVDの発売は(ないだろうが)今後に期待する。
本作はナレーターが徳光さんで、もちろん巨人が勝利の栄光に輝く試合が多く収録されているが、好敵手阪神の選手たちにやられた試合も結構紹介されている。例えば、江夏が王から日本新記録になる1シーズン通算354個目の三振を奪う場面は、敵ながら天晴れ。その他、巨人には恥辱の85年の阪神のバックスクリーン三連発、江川がラインバックにプロの洗礼を浴びた試合等も紹介されている。しかし、今では、恩讐を超えて、これら懐かしい好敵手の活躍に心から拍手を贈りたい。素晴しい選手たちによって築かれた素晴しき日本プロ野球を実感できる本作はすべてのプロ野球ファンにお薦めの1枚である。
FOR THE FLAG 野球日本代表 夢と栄光への挑戦 [DVD]
オリンピックの壮行試合も出場できなくなった今、これが長嶋監督最後の映像なのでは?
こんなにも日の丸、オリンピックへのこだわりをみせる長嶋監督が
本当にアテネへは行けないのか?
アテネ予選が終わった後の長嶋監督の選手に語るオリンピックへの想い、今回のことを
予感させる台詞もあってマジ泣けます。
作家の遊び方
自らの家族史を描いた勇壮な大河小説、技巧を散りばめた女性的な恋愛小説、人生の師匠に捧げる青年期の自伝的小説、後輩たちに贈る人生指南書など最近、ますます質と量を充実させている著者であるが、日常を週刊誌に連載するとまったく別人のような「?」ぶり。
西原画伯の「ツッコミ」と「ヘタウマイラスト」が週刊新潮にいってしまったため、ピンで「ボケ」と「ツッコミ」をこなさざるを得ず、かなり厳しい展開も強いられているようだが、そこは海千山千の伊集院センセイ。上手に改行や言い回しで紙幅をかせぎ、きわどく締め切りを守り、まあ、ある意味、他人にはどうでもいいことを書き続けている。
この二面性というか多重人格的な守備範囲の広さこそが読む側にとってはたまらない魅力であり、思わず「おかわり」をしてしまいます。「エッセイは筆を荒らす。」との伝統が文壇には存在するようだが、センセイに限っては小説とエッセイの両立が完全になされているところが非凡な才能であろう。
さらばミスタージャイアンツ 長嶋茂雄全記録1958~2001 [DVD]
義父が長嶋さんの大大大ファンなので、父の日にプレゼントしました。
観終わって「良かったわぁ〜」っと喜んでくれていたそうなので、うれしかったです。
BEST The Single Collection~軌跡~
デビュー当時からZARDを聴き続け、あの頃一番お気に入り歌手だっただけに、坂井さんの逝去は断腸の思いでした。彼女が愛された理由。ひたすらベールに包まれたプロモ路線もあったでしょうが、メディア苦手だけどひたすら音楽を愛する謙虚な信念、胸がキュンとなるような声質にあると思います。もちろん詞も。。
本盤は、オリコン上位のみ対象としたCDですが、驚くのが過半数がマイナーkeyの悲しい曲調が占めている事。この路線は、大衆受けするのは困難でありながら、ZARDは哀愁曲がこれだけ支持を受けているという意外性もある。一般的に敬遠する傾向のあるこの手の路線だが、ビーイング陣のドラマティックなメロディラインに、坂井さんの哀愁に満ちたボイス、そして少々陰りのある詞制作に長けた彼女のベクトルが上手く噛み合った故の傑作連発といった所。
しかしがら、元気ソングというもう一つの一面が含まれる楽曲も多い。♪1・3・4・11がその代表だが、この相反した楽曲をこなした彼女の器の深さと、何を持ってして大衆の心をつかむかを熟知していた才も見逃せない。或いは、大衆の心を代弁するような普遍性を彼女が持っていた。つまり、謎な孤高な雰囲気がありながら、どこか身近に感じられるような暖かさを曲から感じ取る事ができる。
だからこそ、逝去というのは私の中では、心がどこか砕けた感覚に陥るのです。一歌手でありながら、どこか共感してしまう一女性として。(逝去後編集)