NIAGARA TRIANGLE Vol.2 20th Anniversary Edition
もちろん「A面で恋をして」がアルバム代表曲なんだろうけど、「ハートじかけのオレンジ」って、何度聞いてもホントに楽しくなる。
「ザッ、ザザッ!」っていう擦過音から始まって、途中で大爆発があって、最後はゲームの中の戦闘機が撃墜されるような音のあと、ガラスがガシャーンと割れる、もう意味不明なサウンドエフェクトが、おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさを演出してくれる。
もちろん、ストリングス(低音のピチカートがすごくすてき)とかオーソドックスな部分もすごく良いし、大瀧詠一の薄い声が織りなす一人コーラスのきれいさも秀逸なのは言うまでもないけど。そのうえ「出会いは七不思議、奇跡のキスのアーチェリー」なんて松本隆の歌詞も、大瀧詠一が歌うとやっぱり他の歌手とはひと味違ってくる。
「Water Color」とか「白い港」みたいな哀しい恋の歌は大瀧詠一の得意とする所なんだろうけど、やっぱり「ハート仕掛けのオレンジ」みたいな楽しい歌の方が良い。「オリーブの午後」も、まさに「カナリア諸島にて」とか「ペパーミントブルー」につながる、ナイアガラリゾート音楽の系譜で、これも大好きだ。
自分的には「ナイアガラトライアングルVol.2」「Each Time」そして山下達郎の「Big Wave」が、この頃の時代を象徴するアルバムだ。山下御大は「Ray of Hope」で変な感じになっちゃったけど、大瀧師匠はいつまでもレコードの溝の中で音を作り続けて欲しいなと思う。
佐野元春の「彼女はデリケート」も、冒頭の「出発間際...」からしびれさせてくれるし、杉様の完全にビートルズに頭を乗っ取られたような歌も大好きだ。
ホント、今聞いても全く古びない楽しいアルバムだ。(「A面」とか「ドーナツ盤」とか、今では意味不明の表現もあるわけだが、スタンリーキューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」の中で、主人公がミニミニカセットテープを聴いていたり、30cmのレコードジャケットが普通に売ってたりするからといってあの映画の価値が下がるわけでも無かろう。)
ウイスキーが、お好きでしょ
竹内マリア、山下達郎のコンビによる音作りには、本当に完璧主義ともいえる内容です。
この曲のおかげでハイボールが売れ、某メーカーのウイスキーがよく売れているそうです。良い音楽は、経済効果もあるようですね(笑)。
決定盤 懐かしの童謡
とても素直に聴ける編曲です。わたしが幼い頃(30年程前)母親に買ってもらった童謡カセットに入っていたものが音源がきれいになって入っているように思います。今も手元にあるカセットがコロンビア発売と記入されてますので。擦り切れるほど何度も聴いていました。最近のよくある、ちょっと子供に媚びたような編曲ではなく大人向けの編曲かも知れません。でも、歌詞がよくわかりますし、歌の雰囲気がそのまま伝わってきます。最近の童謡とは違うちょっと暗めの曲がありますが、小1の娘は「月の砂漠」が好きだったりします。やはり、美しい情景を思い浮かべられる歌詞だからではないでしょうか。
唄っている方も合唱団や童謡を多く唄われた方たちなので気負わず聴けます。
風立ちぬ
本当に久々に松田聖子を聴いたのですが、強烈です。胸がキュンキュンしてしょうがありませ
ん。初期の『North Wind』や、ちょい後の『ユートピア』など名盤はありますが、一枚となると
多くの人がこのアルバムを選ぶのではないでしょうか?
フレッシュで爽やかな路線から一歩足を踏み出した「風立ちぬ」(詞:松本隆、曲:大瀧詠一)、
サビの伸びやかな声と松本フレーズが冴える「白いパラソル」(詞:松本隆、曲:財津和夫)の
両シングル曲はもちろんのこと、杉真理のメロディが新鮮な「雨のリゾート」(←当時ラジオ番
組で杉さんのギターでデュエットしたんですよ)や、歌いだしの "空にペイパームーン〜" だけ
でもうあの頃が蘇ってくるような「一千一秒物語」など、綺羅星のようなナンバーが並びます。
当時の考えうる限りのミュージシャンが松田聖子の作品に参加し、そのラインナップを見ると
贅の限りを尽くしたかのように感じますが、私はむしろそれに全力で応えていた松田聖子とい
うプロ根性と真摯な姿勢を評価したいし、今でもその作品たちが輝きを失っていないことで、
当時の努力は報われていると強く思います。
p.s.この一枚を聴いて触発された私、シングル曲をデビュー曲から順に並べたプレイリストを
つくり、通して聴いてみました。・・・もう胸キュンで泣きそうでした。←これ本当(笑)。
ミュージシャンと猫 (P-Vine Books)
きれいで、猫たちの表情もよく出ていて、いい写真集だと思います。
ただ、どうしてこの人選になったのかはわからないけど。。。
よほどの猫好きの方か、大のお気に入りの人が載っていないと、読み進めないかも。