Stone Temple Pilots
ガツン!とエッジの効いた曲はほとんどありません。「No.4」あたりのサウンドを期待してる人の評価はかなり厳しいでしょうね。
ヴァチカンのときも、「ポップすぎる(怒)」なんて言われてましたが、このサウンドは間違いなくSTPなんです。とは言え、かなりスッキリな仕上がり感に、「?!」となってしまうけど、これはSTPの狙いであり、ブレンダン・オブライエンを外した所以でもあるのでしょうか。でも今回も、聞き込めば聞き込むほど、アルバム完成度の高さとSTPのすばらしさを見せつけられます。アルバムタイトルをバンド名にして、セルフプロデュース。これからのバンド活動への気合いの表れでしょう。
スコット・ウェイランドは、STPですばらしい輝きを放つボーカリストであることは間違いないようです。紆余曲折ありました。ふたたびSTPを聞ける喜びに浸りましょうよ!
ストーン・テンプル・パイロッツ
僕はこれまで、STPの新譜に出会うたびに(良くも悪くも)新しい驚きや意外さを感じてきた。正直なところこの新作にはあまりない。ブレンダンが関わらず、ディレオ兄弟中心のセルフプロデュース、そしてかつてなくブルースロックの香りが充満している、これらが僕には一番の驚き。3作目に近いとか、60年代風とか、母国アメリカで書かれていることは、まあまあ当たっていると思う。
そうは言っても、楽曲はどれも非凡、歌詞も従来以上にユニーク(というか、わかり辛い)、クレジットには、Words & Melodiesがスコットという表現が(“歌”を作るのはオレだってことですね)。こういった意味では、STP“らしさ”は十分に発揮されている。曲の作り手での違いとしては、ロバートの曲は“コク”がありスコットの持つ艶っぽさを上手く引き出し、ディーンは彼のGリフが生む“キレ”によりロッカー・スコットの面を出させる。4人が20〜30代の頃は、これらのタイプの異なる楽曲が無意識に競い合うことでアルバムに良いテンションをもたらしていたが、それぞれが紆余曲折を経て40代となったいま、アルバムの流れはとても自然だ。その辺を刺激が足らないと思うか、ちょっとシャレのめした感じと思うかが、本作の評価の分かれ目でしょう。
でもって、ボートラのライブ3曲を聴くと、「なんだぁ、相変わらず元気じゃない・・」。
フタがうまく閉まらないレビューで恐縮ですが、結局僕はクセになるだろうで、★5個です。(・・多少、微妙・・)