幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター [DVD]
約30年前の名作「幸福の黄色いハンカチ」では、山田洋次監督と、高倉健、倍賞千恵子、武田鉄矢、桃井かおり出演によるもので、それを後年経ってから観たのですが、なんか爽やかで清清しく、そして、風に吹かれてキラキラと黄色にはためく沢山のハンカチにより、このうえないシアワセを運んできたところが強く印象に残っています。
今回、そのアメリカ映画としてリメイクされたのですが、原作の韻はしっかりと踏んでおり、それをアメリカバージョンにして、少し現代風にアレンジしたものとなっています。
主演のウィリアム・ハートは、今まで主だった映画の主演はなかったと思いますが、健さんと少し違ったイメージではありますが、角ばったところがなく、マイルドで優しさを包み込むような感じになっています。
クリステン・スチュワートが出演することにより、このリメイク版は、瑞々しい青春のフレッシュ感が漂ってきているようです。
なんと、桃井かおりがチョイ役で出演しており、その洒落っ気に懐かしみを感じるところかもしれません。
ストーリーとしては、捩れたところがなく、概ねがストレートで純朴さを全面に出しており、それを自然に感じ取るように観るのがいいと思います。
今の映画では、二転三転するようなドタバタにより視聴者の感情がゆすぶられ、それを映画の醍醐味とするものが散見しますが、この作品のように素直に微笑ましいシアワセ気分を味わうのもいいと思います。
幸福の黄色いハンカチ [DVD]
タイトルからもそうだし、他のレビューを読むまでもなく、いわゆるハッピーエンドってわかっちゃいるんだけど、
それでもエンディングは「うまいなぁ…」としみじみ感じてしまった。
そいうわけでネタバレを気にせず言うけど、ラストの再会シーン、おさえた演出がすごくイイんだ!
過去に傷のある男が、一縷の望みを抱きつつ、それでも本当の気持ちに向き合えないもどかしさ。
けれど、女は、待っていてくれた…。
ロングで狙って、抱き合う!みたいな安易なことはせず、演者の動きですべてを物語っている。
だから余計に感情が伝わる。これが叙情だ。
凡庸な監督だったら、寄れるだけ寄って、ガツッと抱擁&キスシーンだよねぇ。
一時期日本でも流行ったアメリカのコラムニストであるピート・ハミルが原作だって知らなかったけど、
完全に日本映画として仕上がっているし、ちゃんと後世にも残る作品だと思う。
それにしても、私自身そんなに多く山田洋次作品を見ているワケじゃないけれど、
日本人の機微を描いたらピカイチだ。
だから、寅さんとか、ずっと人気のシリーズだったんだろうねぇ…。
100年後、日本映画とは何か?と検証する機会があったなら、
かならず5本の指には入ってくる人だと思う。
日本人は山田洋次監督をもっと評価すべきですよ。
幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター [Blu-ray]
このディスクは、2010年に山田監督の監修のもとで、全く新しくディジタルリマスターされたものである。
フィルム自体が古いためか、DVDと比較しても、驚くほどは解像度が改善されているわけではない。
しかし、DVDと比較すると、解像度は確実に向上しており、カラーバランスと音声も、実に丁寧にリマスターされていることがわかる。
特典映像も新たに追加されており、2010リマスターでの劇場公開時の山田監督と武田鉄矢氏のインタビューなどを見ることができ、この映画の歴史を感じさせられた。
とにかく、気持ちよく鑑賞でき、感動がよみがえるブルーレイとなっており、是非とも、ライブラリに追加することをお勧めしたい。
最後に、松竹には「男はつらいよ」シリーズのブルーレイ発売も期待したい。
日本映画ファンの皆さん、多少の不満はあるでしょうが、日本映画界をつぶさないためにも、日本映画のブルーレイディスクを買いましょう。
幸福の黄色いハンカチ [DVD]
観るつもりはなかったのだけど、阿部さんと夏川さんのコンビなら、ということで本放送を観た。
いやいやこのお二人、相変わらずというか、いい。
演技も上手いし、高倉・倍賞コンビレベルになりつつありますな。
ストーリーは旧作も観ているので別に・・・なんだけどやっぱ最後まで観てしまいました。
濱田岳と堀北真希のコンビは、まあ上記お二人に比べるとやっぱ若いなあなんて思いましたが
まずまずというところ。
総体的には良作。観ても損しないと思います。
KADOKAWA世界名作シネマ全集〈第12巻〉山田洋次監督セルフ・セレクション「家族」「幸福の黄色いハンカチ」
このシリーズを1巻からずっと購入してきている関係で、この商品も購入しました。
正直、山田洋次監督というと「寅さんシリーズ」というイメージが強かったのですが、
(寅さんシリーズも1作としてまともに見たことが無い初心者…)
折角購入したのだからと腰を据えてこの商品に収録されている「幸福の黄色いハンカチ」
と「家族」を初めて鑑賞しました。…素晴らしい。
個々の作品の良さは改めて私のような者が語ることでは無いのでしょう。
それに加えて、爽やかな「幸福の黄色いハンカチ」と重い「家族」の組み合わせが
素晴らしいと思います。2本続けて見てしまいました。とてもいいバランスです。素晴らしい。
個人的にはこのシリーズの中で最もお勧めしたい一冊です。
このシリーズのいいところは、こういうあまり触れたことのないジャンルにも
まんべんなく触れられるところでしょう。