デュエット
2004年はレイ・チャールズのデュエットアルバムがウケたせいか、ケニーGも同様のデュエットアルバムをリリースした。今までのPOPS風の曲が多い彼にとっては、よりJAZZYで大人なムードを醸し出している。
なので、軽すぎるとケニーGから距離を置いていた人も、これならば聴き応えがあるかもしれない。
全編ウォルター・アナシェフが手がけているので、POPよりな雰囲気を想像されるかと思うが、それはご心配なく。バーブラ・ストライサンドやチャカ・カーンの成熟したボーカルが大人な世界観へ誘ってくれる。ノラ・ジョーンズのカバーやバート・バカラック本人を招いたアルフィーなど、インストものも良い出来のものが多くて、全編全てを気に入るというよりは、自分に合った作品を探して聞くと良いと思う。
意外なようで、期待していたのはOUTKASTのカバーのTHE WAY YOU MOVE。この作品はEARTH、WIND&FIREの影響が強いと考えていたので、グラミーで共演したように是非本人たちに歌って欲しいと望んでいたからだ。グルーヴ感が必要と感じたのか、プロデューサーにはウォルター・アナシェフの他にラファエル・サディーク(アテネオリンピック公式アルバムでもEARTH、WIND &FIREをプロデュース)も招き、アルバム中で最もリズミカルでグルーヴィーなナンバーだ。だが、やはらいこれはHIP HOPアルバムでないために、グルーヴ感は大人しくなり、EARTH、WIND&FIREのコーラスも何処か弱めなので、OUTKASTのオリジナルには遠く及ばないのが残念な限りだ。
Greatest Hits
Right Here Waitingが聞きたくて買いました。で、聞いてみると他もなかなかいいんですよね。全曲を通じて「愛」をすごく感じます。男が女に自分の想いを、へんに飾り付けないでうたう、そんなところがすごくいいんです。
好きな人を思う気持ちをもっと強くさせる、そんなアルバムです。
デュエット~ミーツ・エイジア
ケニーG(Kenny Gorelick 1957年6月5日〜)は、アメリカ合州国ワシントン州シアトル生まれのアルトサックス、ソプラノサックス演奏家。ジャンルはジャズだがスムース、フュージョン、ブラコン色が強いといえる。アルバムは2004年の録音で豪華ゲストを向かえ一曲ごとにバラエティーに富んだ演奏は飽きない。何しろこの多彩な共演者を見て聴きたい欲望がかきたてられる。チャカ・カーン、グラディス・ナイト、ダリル・ホール、バーバラ・ストライサンド、バート・バカラックほか。大音量で聴くとコンサートを独り占めした気分になる、それと同時にアメリカ音楽の懐の広さに圧倒される。
(青木高見)