BREAKING GENERATION
当時高校生だったメンバーが、たった1年弱の間に全てのオリジナル曲をつくり、月に何度もライブをこなした。自分達でチラシ(今はフライヤーって言うんだっけ)をコピーし切り貼りし、レコード屋に置き、ライブハウスの外で配って告知した。タバコの煙と大声じゃないと聞こえない会話の中で、パンクの音が踊ってた。ルート66は、キャッチーで楽しい曲ばかりだ。これが当時高校生だった彼らがストレートに、70年代パンクの音にのせてくるんだから、カッコ悪いわけがない。決して巧くないけど、最高にピカピカで怖いくらいにカッコいい。7月には当時のメンバーでライブをやるらしい。あの頃のライブハウスを感じることができる絶好の機会がくる。
鐵のある風景―日本刀をいつくしむ男たち
森雅裕さんの著作がお好きで、この本の題名から受ける印象で敬遠なさっていらっしゃる方がいるとすれば、「それは、もったいないっ!」
本書は2部構成で、前半は森さんが苦心して選び取材なさった刀工、職人の方の紹介(紹介というよりも森さん本人の言葉にもありますがオマージュといった趣)、後半は、その取材日記などがエッセイ風にまとめられている上に、「推理小説常習犯」のような森節(勝手に名付けて失礼)をも堪能できる1粒で2度も3度も美味しい(という言葉は本書の内容の重さには相応しくないかもしれませんが)重量級の力作です。
また前半の3分の1は、森さんの著作「鉄の花を挿す者」のモデルになっていると思われる刀工、大野義光さんの紹介にあてられ「鉄の花を挿す者」がお好きな読者には興味深い読み物になっています。とりあげていらっしゃる職人の方々への真正面からの敬意が気持ちよく、また、そこにご自分を投影なさっていらっしゃるようなものも感じられて、森雅裕ファンにはたまらない一冊です。
ワタクシ自身は刀剣についての知識などなく、この本がその方面でどういう位置付けになるものか皆目わかりませんが、人間的魅力に溢れた書物で刀剣に馴染みがない方でも楽しめるのではないか、と。
高砂コンビニ奮闘記 -悪衣悪食を恥じず-
間違いなく面白いです。さすがに乱歩賞作家です。
コンビニでの労働がどのようなものかが分かります。
終わりあたりの著者の近況では、涙が出そうにもなります。
ただ、これは著者側から見た世界であって、著者と対立する立場にある人からは、違う世界が見えているのかもしれません。
しかし、著者の、不法に対しては店員といえども戦うという姿勢は、今の日本社会にとても必要なものだと思います。いじめ問題、外交問題、いたる所での暴言など、毅然とした態度が必要です。