石井聰亙作品集DVD-BOX 1 ~PUNK YEARS 1976-1983~
この人がただの自主映画出身の監督ではないのは、制作順に観るとハッキリ分かります。初めて撮った「高校大パニック」は、ぶっちゃけしょぼいのですが、次に撮った「800000万分の一の孤独」は今観てもかなり衝撃的で、テクニックも物凄く進歩しています。イケイケ爆走パンクの初期の作風の中では、かなり異質な静かな狂気を描いた傑作です。本当に素晴らしい「狂い咲きサンダーロード」のリマスター&コメンタリー目当てで購入しましたが「800000万分の一の孤独」は必見。やっぱり天才です。このBOX、高いですが買って良かったと思わせる満腹感があります。
男坂 (文春文庫)
志水の短編集では、一番わかりやすかった。人生という坂を登るのでは >なく、下っていく男達。こういう雰囲気っていいなぁ。シミタツ以外が書けば、 >とても平板なものになるのだろう。解説でも触れられているように、各編の最後 >の一行は深い。短編はこうでなくちゃ。
みのたけの春 (集英社文庫)
素晴らしい小説です。
激動の時代をひたむきに生きた人々が
素敵な風景描写とともに描かれます。
ラストシーンで涙が流れました。
私はこの作品を何度も何度も読み返すと思います。
是非一読をお勧めします。
短編復活 (集英社文庫)
創刊15周年を迎える「小説すばる」に掲載された短編から選りすぐった短編集。
赤川次郎、浅田次郎、綾辻行人、伊集院静、北方謙三、椎名誠、篠田節子、志水辰夫、清水義範、高橋克彦、坂東眞砂子、東野圭吾、宮部みゆき、群ようこ、山本文緒、唯川恵、という売れっ子作家のオールスター。こんな豪華な短編集は珍しいので思わず買ってしまった。さすがにどれも面白く外れなし。その作家さんが書きそうな、「いかにも」と言った短編ばかり選んでいる所も楽しめる。あまり小説を読まない人も、これを読めば気になる作風の作家さんが見つかるに違いない。もちろん短編小説好きの方は必読書かと。
裂けて海峡 (新潮文庫)
一気に読んで,スッパリ忘れた。面白くて,ワクワクして,寝る間も惜しんで読んだのは覚えている。
なぜスッパリ忘れたか。まずストーリーに破綻がないこと。細かいことは私でなくてもすぐ忘れるので放っておくとして,大枠で納得のいく展開だった。そして全体的に楽観的であったこと。登場人物の会話に軽妙なやり取りがあり,スイスイ読めてトラウマにならない。
トラウマと言えば「飢えて狼」。ヒロインがキタナラシイ男にレイプされた場面が忘れられない。本作では,水面下でどんなことが起こっていようとも主人公は前向きで,ヒロインはたくましいのである。
スッパリ忘れたはずだったが・・・。