フローズン・リバー [DVD]
不幸の連鎖に巻き込まれた母親・・・
悪事に手を染めた母には
その事実を知らないはずの息子も反抗し
やはり悪事に・・・
どんどん抜け出る事ができそうにない泥沼に堕ちて行きます。
ですが、ここからがこの映画はちょっと違います。
誰もが理解できる映画ではないとおもいますが・・・
人としての尊厳を失わなかった土壇場での母の決断に感動です。
メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 スペシャル・エディション [DVD]
マイクの心には「メキシコ系不法移民」という群衆の一人であるメルキアデスを射殺した事実が重大なことに感じられない。そして彼の法律的な罪についても警察は面倒を嫌い隠蔽しようとする。
つまりアメリカ社会とアメリカ人にとって、メルキアデス・エストラーダという一人のメキシコ系不法移民の殺害は社会の現実においても、個人の精神においても重大な罪と罰を構成しなかったのである。
しかし孤独な一匹狼だったピートにとってメルキアデスは温かい優しさを持った数少ない友人だった。そしてピートがマイクを強引に拉致して始まった埋葬の旅は、他者化された「メキシコ系不法移民」のイメージを追放し、マイクの心にメルキアデス・エストラーダという人間性を再生させる旅でもあった。
旅の途中にすれ違う様々なメキシコ人との生身の接触は、マイクの眼に「不法移民」たちの真実の姿を映していく。それは「他者」と呼ぶには強烈すぎる臭いを彼に残したであろう。
旅の終わり、マイクの涙ながらの贖罪を伴った三度目の埋葬によって、メルキアデスの死は初めて人間的な扱いを受ける。タイトルにあえて長ったらしい一メキシコ人のフルネームが付けられたのもその含意として、メキシコ系不法移民という差別的記号から一人の人間性が復活させられねばならなかったからであろう。
そして最後に、これは残念ながらというべきなのか、メキシコ系移民の人間性を剥奪するような言説を生産し実践するのもマイクに代表されるような白人のアメリカ人であり、それを回復させた主導者もピートという白人のアメリカ人なのである。名前を奪うのも、名前を回復させるのもこの映画においては白人のアメリカ人なのだ。回復されたはずのメルキアデスの人間性…。だが「メキシコ系不法移民」の主体性は巧妙に閉じ込められたままなのである。
ザ・ファイター コレクターズ・エディション [Blu-ray]
努力の末に栄光を勝ち取る涙涙のストーリー、見終わった後頑張る気力がわいてくる、そんな映画を期待して観ました。
実際は、貧乏でモンスターな家族とヤク中兄貴と場末のバーガールがちんたら繰り広げるウンザリ映画だったので、観るのをやめようと思いました。ウンザリ感からは、自業自得映画だった「レスラー」を彷彿とさせられました。
しかし、ある決別のシーンから面白くなりはじめ、後半から兄弟愛を感じさせるというイキな作品だったことに気付きます。
途中まで見たなら最後まで観た方が良いですよ。
はっきり言ってボクシング映画?って感じでしたが、殴りあう映像ばかりがボクシングじゃないのですね。
そこに至る過程メインの実話を元にした映画です。
なぜ前半面白くなかったのか。
兄貴は昔の栄光をダシにして地元でイキる痛いやつで、浮気と薬中と犯罪を繰り返す。
弟は家族が居ないとダメな甘ちゃんで、結果も残せていない。
母親は息子で金稼ぎに精を出すモンスターペアレンツなやつ、6人くらい居る姉妹もしかり。
身近な人間でまともなのは父親とミッキーを応援する警官くらい。
こんなやつらが内輪もめしているイタイタしい話のどこが面白いのか。
だまされた気分。
しかし、ミッキーが彼女に支えられるようになり、更に兄貴のディッキーがある行動を起こすようになってから、何か期待できる気がしたのです。
さすが、クリスチャン・ベイル、あんたが居たから途中下車せずに観れたよ。
私がこの映画で刺さったのは、兄貴であるディッキー。
セコンドでありながら練習時間になってもキメてるクソ兄貴でしたが、
弟への思いっていうのは嘘じゃなかったです。
自分に果たせなかった夢を託すという側面よりも、まじで弟のことを想ってることが感じられて感動しました。多分皆さん感じられると思うので、そこは是非観ていただきたいです。
主役はミッキーであり、またディッキーであり、2人の努力とその融合が盛り上げます。
結局みんな人間性に欠陥ありで、ヒーローとか居ません。ミッキーでさえも落ち度があります。
しかし、そんな彼らだからこそ人間らしいですし、より身近に感じます。
演技についてはよく分かりませんが、家族の汚らしい一面とかいかにも居そうな感じでしたし、
クリスチャン・ベイルはハゲまで作って本人そっくりな役作りで、そこにまた魅力を感じました。
月並みですが、誰かのために努力する姿、努力の末に結果を勝ち取る姿は感動的でした。
21グラム (初回出荷限定価格) [DVD]
21グラム、人は死の瞬間、軽くなるという。それがすなわち魂の重さ。この映画のタイトルである。
21グラムとはいいながら、とても重い魂の苦悩の物語。クリスティーナとポールとジャック、それぞれに重い苦悩を抱えており、それをナオミ・ワッツ、ショーン・ペン、ベニチオ・デル・トロの3人が見事に演じている。
映画は、時間軸を自由にジャンプしながら進み、集中して見ていると少しずつ流れが見えてくるという、「メメント」を連想させるような手法で、構成されており、見る側を飽きさせない。
見終わった後、もう一度見たくなるというより、簡単には言い表せない気持ちで一杯になるという映画。どんなに大変なこと、耐えられないことがあっても続いていく、それが人生。大変なこと、耐えられないことに出会ったときに、それにどう向き合って生きるか、そこから次の一歩をどう踏み出すかが大切。言葉にすると軽くなるような気がするが、そういうことが伝わってくる映画のように感じた。
ザ・ファイター コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]
ボクシングの、というよりは家族の物語だなと感じた。どんなことがあっても最後にモノを言うのは家族の力。そう感じずには、いられなかった。いい映画と呼ばれる作品は数あれどストーリーと俳優がここまでマッチした作品はそうないとも思った。実話というのもすごい。家族の物語でありながら肝心のボクシングのシーンもリアルで見応えがあったこともそう思わせる要因だ。全体的によかった俳優陣、なかでもクリスチャン・ベール。その存在感は観ていてゾクッとした。
女性からすると男臭くみえる作品かもしれないが気にしないでほしい。それを吹
き飛ばすだけの力は十分あるから。何か壁に当たっている方にもいいのではと思った。