マフィアとルアー (星海社文庫)
理解していたと思っていた人に別れを告げられたことと、理解できない人種の人と通じあえたこと。それぞれの場面の描き方のみならず、この対比が秀逸。そうさ、フラれたなんてルアーを引っ掛けて失くしたのと一緒だ!でもわかりあえた瞬間は嘘じゃないんだ!!
DON’T TRUST OVER 30 (KCデラックス)
変ゼミの雰囲気を期待して買うと確実に肩透かしにあう1冊です。
MAXIでもあった重いテーマの漫画、どちらかというとそういう傾向の漫画ばかり
を集めた単行本といった印象。
理不尽で不可解でポップでキュート、そしてどこか気持ち悪い要素があるTAGRO漫画を期待して
購入してみたものの、なかなかに消化不良な部分が自分自身に残ります。
初期からのTAGROファンと変ゼミから本格的にTAGRO作品にハマった人では
恐らく印象がかなり違うのだろうと思われる作品でした。
精神年齢と外見年齢が食い違う人々の話、父親嫌いの男性が自分が父親になる時を描いた最後の話。
カレーと緊縛された女性などなど。
どれも読み流すには重すぎて、おまけにとっつきにくくて難しい話ばかり。
特に最後の1本の話が心にグサッと突き刺さって離れませんでした。
暫くドントラを読み返せないくらいに話が重かった。
とはいえ、やっぱり読み返しては不可解さと重苦しさをリピートしたくなる
そんな依存性のある漫画でもあります。
変ゼミを描く作者がこんなテーマの作品も描けるのかと驚かされました。
マフィアとルアーも読んでみたくなります。
変ゼミ 1(Blu-ray)
大学生の少女が「変態生理ゼミナール」、
通称「変ゼミ」に入ったことをきっかけに
メンバーや教授たちの変態的な言動に関わっていく話。
1話15分で短いエピソードばかりだが、
下ネタのオンパレードでかなり過激。
単にエロティックというだけでなく、行き過ぎて
グロテスクなだけの表現も多々あるため、相当に人を選ぶ作品。
不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)
『世界シリーズ』4作目で書きおろし,2作目から14年後が舞台となっており,
主人公はその2作目と同じですが,物語は別の語り部役により進んでいきます.
また,帯やプロローグにある事件は,これまでと同じで大きな意味は持たず,
推理どうこうもほとんどなく,犯人や真相についても最後に少し語られる程度.
読み手の立場としては,「物事の進行を静観する」と言っている主人公と同じく,
14年前と変わらぬ言動に眉をひそめつつ,彼のことを静観しているような感覚です.
ただもうひとりの重要人物,語り部役についての説明がまったくされておらず,
なぜその人物が居て,その『名前』を語っているのかは最後までわからないまま.
『正体』についても,2作目の流れを意識しているようで少しニヤリとなるものの,
作品に仕掛けられている『別の要因』のせいで,素直におどろくことができません.
ほかにも,ボリュームが少ないせいか余分な描写がちょっと目立ちすぎにも思え,
()内のセリフや会話の脱線など,いつもは楽しく読める部分が冗長に感じました.
とはいえ,主人公がエピローグで14年前のこと(2作目)を思い返す場面などは,
冒頭にある引用文を重ねてみると,本人の口とは裏腹に意味深でなんとも印象的.
そのため,物語自体は単独ですがそちらを読んでおくともっと楽しめると思います.
なお,ユーモアの類はまったくないので,そちらに期待していると物足らないかも….
変ゼミ 2(Blu-ray)
OA が Blu-Ray に先立つアニメの場合、
デジタル放送と HDD レコーダー登場以降、
Blu-Ray の商品としての付加価値の付け方がすごく難しいと思っています。
他の多くのアニメだと、個人的には、Blu-Ray の意味は、付加価値というよりは、コアなファンのボランティアとしての意味合いが大きいと思っています。
私が本作品を購入したのも、そうした目的ももちろんありますが、
実際視聴してみると、
プレミアムとしての付加価値がかなり大きめの商品だなとつくづく思います。
OA も見ていない人向けには、
あんなと市河のエピソードが秀逸の2巻目だと申し上げておきましょう。