私はシンドラーのリストに載った (新潮文庫)
映画を観て買う人が多いと思います。が、本書は映画とは別の切り込み方で、映画「シンドラーのリスト」に載った人たちと周りの人間(親兄弟や親戚)のその後の人生の転移や、人生観などを書いています。映画と同じような起承転結を期待すると外れます。ホロコーストを生き抜いた人々のその後の人生集、という形で評価されるべき本です。
救出への道―シンドラーのリスト・真実の歴史
本書はナチスドイツ時代、ポーランドの収容所で「プワシュプの屠殺人」
の異名を持つ司令官アーモン・ゲート直属の速記者として、その傍らで
死と隣り合わせの540日を過ごした著者ミーテク・ペンパーの不屈の精神
と勇気と英知の物語です。
その立場から、いち早くナチスの「今後存続すべきユダヤ人収容所は
『勝利決定的』な生産を証明できる収容所のみとする」という情報を
秘密裡に掴み、収容所内各工場の技術主任達の協力を得てトリックの
生産表を自ら作成。
それにより、1943年晩夏には(死を意味する)収容所解体を免れ、
様々な予備的作業が1944年10月のオスカー・シンドラーによるユダヤ人
救出作戦に繋がっていく過程が、息詰まるタッチで描かれています。
また、シンドラーと実際に何度もやり取りした内容や、ゲートの残虐な
行為の数々、その裁判での筆者の証言の様子なども描かれていて、
とても興味深く感じました。
後年、筆者はスピルバーグ監督から、映画 『シンドラーのリスト』 の
脚本作りのために招かれてもいるのですが、まさに生き証人の1人で
あることが伺えます。
その当時まだ23〜4歳だった青年の不屈の精神と知的な抵抗。
ユダヤ人囚人としては唯一の立場であった筆者の怜悧な語り口に、
翻訳の素晴しさも相まってぐいぐいと引き込まれていきました。
大変興味深い本です。ぜひじっくり読んでいただきたいと思います。
ラプソデイ-クラシック・パールマン
パールマンの演奏ですから、当然のことながら幸せな気分になれます。
録音も1990年代後半以降がほとんどなので、円熟したまろやかな美しい音色がひときわ沁みます。
選曲もちょうどいい具合で、ポピュラーになりすぎず、それでいてリラックスして楽しめました。
ウィリアム・ウォルトンのカンツォネッタ、それからパガニーニのヴァイオリンとギターのためのカンタービレ、
それからヨーヨー・マのチェロとのアンサンブルが楽しいユーモレスクが私のお薦めです。
Schindler's List
さて、最も印象的だったのは、案外難解だったということです。
なぜかというと、ひとつのセンテンスが長目で、構文を一気に
つかみにくい事。それから、地名、人名等、固有名詞に
聞き覚えのないものが多く、時間をあけて読むと、
”この人誰だっけ?”状態におちいり易い事の二点の
ためだと思います。
単語自体は、他の Level 6 (3000 words) と変わりはない
訳ですが、特に上記二点の理由で、スピードリーディングの
練習用にお勧めします。
シンドラーのリスト
白黒だが全く物足りなさを感じさせない。主人公のシンドラーは全財産が尽きるまで様々な手を使ってユダヤ人をたくさん救ったにもかかわらず、「もっと救えたはずだ。この車を売ればもっと救えたはずだ」という台詞を言うシーンが最高である。そして、ひたすら同じテーマが流れていく悲壮感は、映画を見れば絶対に忘れられない音楽になると思う。