プレイズ,ニーノ・ロータ
このCDは、イタリアのCAMから発表された"Rota Tutti Filmidi Fellini”と”Nino Rota Musiche da Film"からニーノ・ロータの自作選集として日本で編集されたもの。演奏は、ニーノ・ロータとフェリーニが監修し、カルロ・サヴァーナがオーケストラの指揮を執っている。
ニーノ・ロータこそ、巨匠の名に相応しい。ニーノ・ロータが作曲したとりわけ有名な17曲が納められていて、まず馴染みのある曲ばかりだろう。
「ゴッドファーザー」「ロミオとジュリエット」「太陽がいっぱい」「道」「ゴッドファーザーPARTII」など、曲だけ聞いていても胸に染み入るものばかり。
素晴らしい永遠の旋律がズラリと並んだ画期的アルバム。
映画ファンばかりでなく、音楽ファンを唸らせると思う。
カビリアの夜 完全版 [DVD]
オスカーに連れられてカビリアが湖を望む断崖に立つ場面:
ハリウッド映画だったらバッグを取られまいと格闘してカビリアがあわや落下寸前、というところでヒーローが登場(映画スターか慈善家か)。
アメリカンニューシネマだったらあっけなく突き落とされて終わり。
火曜サスペンス劇場だったらカビリアが不遇な生涯を語り…
という展開になるのであるが、フェリーニはそのどのパターンも取らない。かと言って凡庸な展開ではなくしかしこれが最もカビリアの取る行動に相応しく思える。
そしてラスト、これもまた人間の一面を見事に表したシーンである。
突然炎のごとく〔フランソワ・トリュフォー監督傑作選9〕 [DVD]
信じ難いような話を全て言葉に出して相手に伝えてしまう様子が面白くてしかたありませんでした。
現実にこんな女が居たら完全に気狂いですが、映画で美人にやらせればそれなりに笑えます。
なぜ沈黙の誓い、なんてものが生まれるのかわかる気がします。
日本人の感覚でこのキャラクターを生み出すのは無理でしょう。
更には隙間なくナレーションを配し観ている人間の思考を縛りまくります。
それを気持ち良く縛られる事ができるマゾ的な人にはこの映画はたまらないでしょう。
私は自由な思考が許される隙間だらけの映画が好きなので合いませんが。
ただこのナレーション中にはなかなかセンスの良い言葉が散りばめられていて箇条書き的には楽しめます。
カット割りが速くてそのせいか古さを感じない映画です。
恋愛に重きを置きすぎて走り過ぎる女は何ひとつうまくいかないという現実的な一面もあって面白い。
動物的な行動と思考に無理やり全て言葉をくっつけているという笑える変わった映画。