マイルス~ザ・ニュー・マイルス・デイヴィス・クインテット(紙ジャケット仕様)
1955年11月16日録音。ジョン・コルトレーンを加えた史上名高いクインテットの最初の録音である。有名な話だが当初テナー・サックスにはソニー・ロリンズを誘ったがロリンズがこの申し出を断り、コルトレーンが入ったという経緯がある。このロリンズが『断ったこと』が後のジャズの世界に多大な影響を与えたのは間違いのない事実だ。
コルトレーンはここから1960年中旬までマイルスのクインテットにとどまるのだがこのチャンスを生かし、大きな飛躍を遂げる。そしてこのアルバム以外にこのクインテットで吹き込まれたプレスティッジでのアルバムはあの伝説のマラソン・セッション4部作しか実はないのだ。そういう意味でもこのアルバムの存在価値は大きい。
ぼくが特に気に入っているのはデューク・エリントンの『ジャスト・スクィズ・ミー』。マイルスのミュートがどこかシャイでどこか妙にいじけているようにも感じられ、そこが実に魅力的だ。