Wake Me When It's Over
派手なメイク・ルックスから80年代後期に雨後の筍のように現れたグラム/パーティ・ロック群の一つにひとカラゲされそうだが、そんなことないです。
ま、歌詞はいわゆるロックンロール系だと思いますが、サウンドが骨太でヘヴィなのが特徴です。このバンドは独特の印象的なリフと、チープなような骨太なような不思議なサウンドとややファンキーなノリがあるのが好きなのですが、この2ndも発売当時からずっと聴きつづけています。
派手なテクニックがない・・というか下手くそだとレッテルを貼られることが多いのでしょうが、スタジオ盤においては、まとまりを重視したアンサンブルのためあまり気になりません。ロックンロール系にしては非常に深い歪みのギター、クセが強いがはまるとはまるヴォーカル、意外に考えたパターンを叩き出すドラム、全体のファンキーなトーンを生み出すベース(実は一番好きなのはベースですが)が、渾然一体となって表現する猥雑なサウンドはピンと来る人には病みつきになると思います。1、2、3、6、7、12辺りが耳に残ります(シングルヒットしたバラード4より12の方が胸に迫ります)。
ポップロックファン、ヘヴィメタファン、様式美ファンには薦めませんが、90年代オルタナが全盛になる遥か以前に(しかもLAメタル系でありながら)クロスオーバー的要素を取り入れたこのバンド、意外にその手のファンで売れ線よりB級マイナーな方が好きって人のほうが入りやすいかも?1st~3rdまで全部おすすめですが、一番幅広い層に受け入れられそうな2ndを推してみます。
ファスター・プッシーキャット キル!キル! [DVD]
子供の頃、特撮ヒーロー物に出てくる悪の女幹部が好きだった。正義の側についてるミニスカートの可愛いこちゃんより、断然カッコ良くて、憧れた。不自然でデコラティブかつセクシーな衣装、きついメイク、「やれい!」とかって、戦闘員に命令する口調、たてる作戦のズル賢さ・・・どれもさいこう!だけど最後には“正義は勝つ”というお題目のもと、悲愴感いっぱいにやられてしまう。子供心に何か悔しかった。この映画を見て、ダイレクトにそんな事を思い出した。それくらい、日系空手美女、ミス・ジャパン・ビューティフル(ストリッパー時代にこう呼ばれていたとか)ことトゥラ・サターナはクール!レズビアンのアイドルになったというから、何か女子の同性愛的嗜好をそそるものがあるんでしょうね。ストーリーは、真面目に撮ったら、ヂミなノアールものになりそうな感じだけど、お色気と大きなおっぱいを優先させたら、白日夢みたいな不思議な雰囲気になってしまったような・・・幼児期にテレビでうっかり見てしまったら、「小さい時に見たあの映画って、実在するの?」て思ってしまうタイプの映画では。だって、砂漠に黒いピタピタボディスーツでブーツの巨乳女が胸の谷間もあらわに立ってるなんて絵面、まともな大人の考えつく事じゃないよね?それを何のてらいもなく撮るラス・メイヤーこそ、真実、“世界に一つだけの花”だよ!