小林賢太郎戯曲集―home FLAT news (幻冬舎文庫)
僕はラーメンズのビデオを沢山観ているので、個人的好みで五つ星を付けたくなるところなんですが。
著者の言うように、このコント達は、あくまでラーメンズの二人のための仕様になっている。ので、やはり二人の姿を想像しながら読むのが正しい方法だと思われる。だから、「ラーメンズって、おもしろいらしい」と聞いてこの本を手に取った人で、実際のコントを観たことがない人には、それほどおもしろくないかもしれない。よって、目を背けながら☆ひとつ減。
人間を観察し、人間について考察し、人間についてコントで実験&主張する小林賢太郎の戯曲集。実際のコントを観るときよりも、「著者の狙いを読む」という目的をはっきりと意識して読むと、おもしろい。
ラーメンズ DVD-BOX
ラーメンズは美大出身のため、
NHKの番組等では、ネタの不可解な空気に「アート」という言葉で
片付けてしまった。
しかし、そんなもんじゃない。
ラーメンズの“笑い”は今の時代の最先端の“笑い”である。
緻密に構成された笑いなどは、実は笑いを目指す人間は全て目指すこと。
テレビのタレントが笑いをドンドン低いものに変えていってしまっているが、
ラーメンズは構成された“笑い”を彼らなりの方法でドンドン進めていく。
テレビと言うメディアを捨てた彼らの気持ちがわかります。
みれば、その偉大さが、十二分に伝わります。
暗く落ち込んだときには「Classic」
秋の夜長に「ATOM」「Study」
「Cheery~」はいつでもOK
間違いなくお勧め。
KENTARO KOBAYASHI LIVE『POTSUNEN』& KENTARO KOBAYASHI LIVE POTSUNEN 2006『○ ~maru~』 [DVD]
小林賢太郎氏は多彩な人だ。いろんなことが出来てしまう。
そんな彼を堪能することが出来る舞台がKENTARO KOBAYASHI LIVE『POTSUNEN』& KENTARO KOBAYASHI LIVE POTSUNEN 2006『○ ~maru~』だと思う。
彼は一人コントというジャンルの限界にさまざまな角度から挑戦している。
一人でここまで出来るのだ、ということを見せてくれている。
そしてやはり一人では出来ないことがあり、小林賢太郎氏と片桐仁さんがいて初めて成立するのがラーメンズであるということを知ることが出来る。そんな新たな発見と再確認のある舞台だと思う。
舞台自体はコントライブ、と思って観ていると面食らうことと思う。
いわゆるコントというコントがないこともないがどこか王道的コントライブを予想してみると楽しめないかもしれない。
そうではなくて小林賢太郎氏を楽しむ、味わう舞台だと思って鑑賞するといいと思う。
彼はよくもわるくもオールラウンダーであって決してスペシャリストではない。
観る側のわがままだがそこに彼の凄さもあると思うが物足りなさを感じてしまうときもある。
これは突出したなにかに目を奪われたいという贅沢な要求である。
彼は十分に大抵の観る人を魅了する技を多く持っているのであるけれども、抜群にこれが優れているかと言われるともっとすごい人はいるよねと思ってしまう。
ただこれだけの水準で多くの技術を持つ点が小林賢太郎氏の魅力であることは確かだと思う。
さて、そういったことから私はこの舞台で小林賢太郎氏がその芸達者ぶりを遺憾なく発揮すればするほど、彼の器用さを見せれば見せるほど、彼が不器用に思えてくる。
彼が舞台で器用そうに見えて実は不器用であるからこそここまでいろんなことが出来るのではないだろうか。
ものすごく優れた武器があればそれ一つで舞台は出来てしまうのではないかと思う。
つまり本当に器用であればここまで一人でやろうとはしないのではないか。
そう考えるとこの舞台はとても不器用な試みだ。
しかし一人でやるからこそ意味がある舞台でもある。
不器用であるからこそここまで器用に舞台で振舞うことが出来るのであろう。
彼の舞台での器用な多彩ぶりは舞台全体としては不器用に映る。
だが彼が器用に多くのことをこなせなければこのような舞台は創り出すことは決して出来ない。
小林賢太郎氏は器用で不器用な男であり、不器用で器用な男であると改めて思った。
ラーメンズ第17回公演『TOWER』 [DVD]
「ラーメンズは好みが分かれる」と今までも言われていたことであるが
それは「芸術+コント」という新ジャンルが飲み込めるかどうかという意味での「好みが分かれる」であったが、
今回の「TOWER」の「好みが分かれる」は「今までのラーメンズファンが受け止められるかどうか」である。
正直今までの「芸術+コント」スタイルであったラーメンズは笑いよりも芸術性を重視していた感がある。
今回は笑いを強く押した作品が多いように感じた。
「五重塔」「シャンパンタワーとあやとりとロールケーキ」「名は体を表す」にはメッセージ性など皆無であり、
まさに「コント」というべき作品だと感じた。
「アトム」のような重厚なストーリーコントを期待している人には「薄い」と感じられ、
今までのラーメンズの思考とは少し外れた「腹から笑えるコント」を期待して見るのが正解ではないだろうか
バナナマンのような日常会話のコントであったり、
「やめさせないと」ではイッセー尾形氏の1人芝居のようなシーンも見られる
個人的にはラーメンズの進化だと感じた
鼻兎(1) (アッパーズKCDX (13))
例に漏れず私もラーメンズ繋がりでこのコミックを手に取りました。
まず一読して感じたのは、独特であるということ。
「個性がある」と言えば今の時代いいようにだけ取られがちですが、
ということはそれだけ読者を選ぶということでもあります。
この『鼻兎』はまさにそのようなコミックであります。
何も知らずに手に取る方は覚悟が必要です。
しかし引き込まれてしまうとなかなか抜け出せないでしょう。
というのも、全体の構成が非常によく練られ組み立てられているので、
二度三度読み直す度に新たな発見があるのです。
その巧妙な仕掛けにニヤリとさせられることもあるでしょう。
ただ一話一話もなかなかに楽しめるものなので、
著者の発言のようにのんびりと流し読んでもいいでしょう。
難点としては価格でしょうか。やたら高い。
私見ですが、この価格こそがこのコミックスを
「ラーメンズファンブック」たらしめている所以だと思うのです。
なんとか安くはならない物でしょうか。