リプリー
A.ミンゲラ監督の「リプリー」(1999)のサントラです。観た方はご存知の通りこの映画は音楽に密接な関係をもった作品で、前半は明るくジャズやイタリアの大衆音楽に彩られ、後半はリプリーの綱渡りに合わせて沈鬱なメロディがたくさん出てきました。このサントラは、そうした二つのタイプの曲がランダムに詰め込まれたような感じになっていて、多少聴きづらくなっています。
マット・デイモンの歌うチェット・ベイカー風の"My Funny Valentine"は、かなりひどい出来ですが、でもこの人の歌を聴けるというのは多分ここだけなので貴重でしょう。
シニード・オコナーの"Lullaby For Cain"は今のところここでしか聴けません。しかし、ここでのオコナーは不安定でとてもこの歌を歌いこなせているとは言えないです。この曲は、不安な気持ちにさせる旋律を持った、魅力的な作品なので、残念です・・・。
1999年のアカデミー音楽賞にはG.ヤレドがノミネートされていましたが、確かに前半のジャズの曲よりも、リプリーの心象風景を反映したかのような、G.ヤレドによる沈鬱なオリジナル・スコアの方が面白かったです。
リプリー [DVD]
もちろん彼のジェイソンボーンも大・好きですが、やはり彼の最高傑作はこれだと思います。
とにかく登場人物達全ての「目」が雄弁です。
内気さと自己顕示欲の混じった最初の頃のリプリーの目は
自分の行く先の暗闇を直視して、罪深さと悲しみをたたえるようになる。
婚約者とのきままな日々を楽しむ、無邪気で若いグウィネスのまなざしも
リプリーへの疑惑がいつか確信となるにつれて強く尖った目線となる。
周りの誰もまだ気づかない段階で既に、リプリーの嗜好と欲望に気づいたアメリカ人の、
リプリーをからかうような目つき。
リプリーが何か重大な事を隠していると判って包もうとする「彼」の深いやさしい目元。
「闇の中で悪魔と二人きりの地下室」の扉が閉まるラストの見事さ。
それにしてもマットデイモンは何故こんなにヨーロッパが似合うんだろう…
ミス・リプリー公式ガイドブック
個人的にリプリーのユチョンが好きなので購入しました(o^^o)
ユチョン全部かっこいいんですが
OFF ショットとかの写真が
めちゃ素敵です!!
すごくお勧めです\(^o^)/
S‐PLUSによる統計解析
S言語(S-PLUS またはR)を用いて,実証研究をしようとしている応用分野の研究者,大学院生にとって,大変価値ある一冊だと思います。Sは,やや敷居が高い統計パッケージですが,できあいのソフトにまだ実装されていない手法を使う際のプラットフォームとして最適です。
なお,本書は,S言語の入門書としては,十分に親切ではないので,ほかに入門書を求めた方がいいでしょう。しかし,本書でも,別段,S言語の予備知識を仮定しているわけではありません。Sの初心者でも十分に使えると思います。
しかし,統計の初心者向けの本ではありません。大学院レベルの統計コースをいくつか取ったという程度の知識は必要でしょう。もっとも,S言語を研究に使おうというレベルの人であれば,まったく問題ないと思います。
扱われているトピックは,かなり実践的で,応用上有益なヒントがあちこちに散りばめられています。もちろん,統計の専門家以外,細部にいたるまで理解できるわけではありませんが,こういう場合にはこういう手法があるというガイドと考えればいいでしょう。参考文献をたどれば,必要に応じて十分に詳細な情報が入手できます。筆者の場合,頑健回帰・抵抗回帰と非線形モデルに関する情報が大変有益でした。他方,時系列分析や生存時間分析はやや手薄なように思います。
この本の全体の雰囲気・レベルは,(分野はまったく異なるものの)数値計算の"Numerical Recipe"に似ています。応用分野の人間にとっては,優れた統計学者によって書かれたこのレベルの本がもっともっと増えるとありがたいところです。ただ,本書の場合,カバーする範囲が案外狭いのが惜しまれます。邦訳のない,ほかの本を併用するほかありません。(なお,本書の原著はさらに新しい版が出ているようです。)
筆者は,R(GNU S)を使って,この本のいくつかの章をフォローしてみました。グラフィックなど,一部,S-PLUS特有の記述がありますが,本質的な部分は,Rで行けます。