東京怪童(3) <完> (モーニングKC)
ボクにはとってもいいマンガに感じました。
全体的に独特な雰囲気を感じさせるシーンを盛り込んでいるんですが、読み返すとそれが無意味なものでなかったことに気付き、成り立っているのにちょっと驚きました。
さらっとした作品ですが、実はかなり深い作品だと思います。
東京怪童(1) (モーニングKC)
ストーリーの断片がすこしずつならべられ、方向を示し始めたところです。
昔なら脳病院といわれる場所にいる少年と少女。
まだ、おたがいを支えあうことを知りません。
それは、目にうつるものが、他人と違うから。
ゴッホもゴッホの絵のように世の中が、うねって見えたといいます。
夜の原っぱで、少年と少女はゴッホの感じたうねりをともに体験します。
切り取られたぞくぞくするようなイメージが連打され、よい映画が始まる予感に似た興奮が、自分の中の奥にあるのがわかります。
傑作がうまれました。
鮫肌男と桃尻女 [DVD]
石井克人監督、一世一大の傑作。その後の彼のトホホぶり(パーティー7にはまじ泣きました)考えると、信じられないような奇跡的傑作です。
とにかくこのキャスティングは凄い。それぞれが濃い空気を撒き散らしているのに、それが見事にバランスよく収まっています。やや我修院達也がはみ出しかけてましたが、ぎりぎり踏みとどまっていました。
浅野忠信、鶴見辰吾、岸部一徳のキャラの面白さ、見た目のカッコ良さ(それぞれの個性的ファッションも良い!!)はもう必見。ハイテンポで進む話も面白く、台詞回しもうまい。音楽がまたカッコよく画面に華を添えてます。
昨今の文芸的日本映画に比べたら、単純明快で面白いストーリーに、映画の面白さとは何かと言うのが、感じられます。この作品は海外でもうけるでしょう。
DVDは特典満載。またメニュー画面がこれまたいけてる!! 秘蔵映像も多く、わざわざDVDのために島田洋八さんと我修院達也さんが解説しているのには笑った。音声も当時にしては珍しくdts5.1ch採用と、まさに完全武装。
映画の面白さ、とDVDの仕様の完成度の高さが合体した、稀に見る傑作ソフトです。これを日本映画と言うだけで敬遠していると損しますよ。映画好きなら絶対必見です!!!!!
ドラゴンヘッド [DVD]
壊滅した社会(世界)を再現した映像がとても素晴らしく、
ハリウッド映画と比べても遜色を感じません。
それだけに私にとって非常に「惜しい作品」になりました。
原作のテーマ性を明確に解釈出来ているのは
トンネルから脱出する30分程で
それ以後、ダイジェスト的にマンガ版のシーンを繋げています。
原作の個々のシーンは作品のテーマと呼応するものですが
この映画版ではダイジェストであるため
浅い解釈にとどまざるを得ません。
邦画界にとって、膨大なマンガ・アニメ原作の存在は
大きな武器の一つですが、ほとんどの作品に共通する
「2時間の枠に入りきらない」という問題を
解決しないと宝の持ち腐れになりかねません。
全てのエピソードを詰め込むのではなく
トンネルから脱出するまでを2時間の枠で映像化した方が
良かったのではないかと思います。
内容で2点、映像のがんばりにプラス1点です。
しかし、トンネルから脱出するまでの30分は
鳥肌ものの出来栄えになっており、原作ファンなら
このシーンだけのために観賞するのも悪くないと思います。
映画ならではのリアリティがあります。
私は原作を読んだ事があるので「原作と比べて」という
立場で評価しましたが、マンガ版とは違う映画版ならではの解釈が
あってもいい訳で、原作を読んだ事のない人の方が
素直にこの作品を受け止める事が出来るのかも知れません。