未成年
もう十年前ですかなつかしいですね。その当時僕はどうしようもなく野島伸司の作品が好きでした。乾いた空気感と切ない感じが。そして登場人物達は(観ている自分自身も)どこにもたどり着けません。高校教師が好きだった方は好きになると思います。
未成年 下巻 改版 (新潮文庫 ト 1-21)
ドストエフスキーの長編では、最も知名度が低いと思われる作品。
それもむべなるかなで、何だか混沌として、よくわからない。
晩年に近い、「カラ兄」前の長編だというが、無名時代に書いたのかと思うくらい完成度は低い。
一体何が言いたいのか?という感じ。
主人公はコンプレックスの塊のような若造アルカージイだが、「カラ兄」のアリョーシャのような好青年ではなく、ひねくれて小生意気で、しかも酒・ギャンブル好き。
およそ可愛げがない。
主人公の手記という形の一人称で、父との関係を中心に話が進むが、前半は反発していた父の評価が後半はガラリと変わったり、分裂的な印象がある。
登場人物も錯綜しており、筋を追うのが難しかった。他のドストエフスキーの作品では、そんなこと余り感じなかったのだが・・・
しかしさすがに最後は盛り上げ、締めは主人公の知人がこの「手記」の感想を手紙で述べるというオチ。
自分で解説まで付けたわけで、「戦争と平和」っぽいが、事実ドストエフスキーはそこで「戦争と平和」論も披露している。俺は歴史小説ではなく現代小説を書いたんだ、というわけだが、その姿勢が後の「カラ兄」を産んだと考えると、やはりファンは必読かな。
ドストエフスキー初めて読む人には薦められないが。
すらすら読めるドストエフスキー
ドストエフスキーの作品は確かに難解だと思います。
この作品はドストエフスキーの細部にまでとことん研究されている感があると思います。
特にロシアの文化や言葉、呼称なども含めての解説は大変分かりやすい。
私自身もカラマーゾフの兄弟を途中であきらめてしまったのですが、
この本の解説があれば、なるほど確かにすらすら読める手助けになるのだと
改めて分かるような気がします。
それから何よりも筆者がよく研究されているのが伝わってきます。
恐らくドストエフスキーへの熱意が非常にある方なのだと思います。
ロシア文学に興味ある方なら誰もが、この一作を一読してみる価値が
あると思いますので、おすすめの一作だと思います。
私が弁護士になるまで
フジテレビアナウンサーであった菊間千乃さんが退社後に弁護士になるまでの記録です。読む前は頭の良い人は違うなという程度に思っていました。しかし実際に読んでみると、超難関資格試験に合格するために、ものすごい勉強量をこなしていることがよくわかりました。私も含めて人は生まれつきの頭の良し悪しのせいにして、はじめから諦めてしまいがちです。しかし、生まれつきの能力を全力で生かし切っている人はどれだけいるでしょうか。私もやりたいことに全力で取り組む人生でありたいと思いました。
意気地なしの自分を発奮させてくれる本です。