Swing Guitar [DVD] [Import]
私はDjangoに出会ってから、はや25年余り。しかも最初は彼の演奏したであろうパリの場末のキャフェで、ジャンゴファミリーの末裔達が演奏していた場面を直接観ながら洗礼を受けたのです。もちろんフランス文化圏に於ける、彼らマヌーシュの社会的地位などあって無いような時代でしたが、音楽にだけはハマってしまいました。昔VHSで売られていたジャンゴのレガチーを、阪神大震災直後に見て、心を落ち着かせた経験があります。まるで彼のギターは、時代のボリュームと共に、母の体内に居て、これから生まれ出ようとする気分にしてくれます。そしてこのDVDは、日本語の解説が無くても、やさしいレヴェルの英語であり仏語であるので、音楽と共に音楽の一部として観ることが出来ます。(語学への興味の始まりは、そういったものではありませんか?)
そして何よりもこの映像の魅力と言えば、彼の生きた時代がよく判るところにあります。アルベール・カーンの映像を目の当たりにした時の感動と同じぐらいの価値のある、フランスポップス音楽史を垣間見る事が出来ます。特に付録に付いている、ステファン・グラペッリの、ジャンゴと共演する以前の映像は、大変興味深いものです。なぜなら楽団のメインが三人のバイオリニストであり、途中で突然フランスの古い民謡であるメロディーをブルターニュ地方の民族衣装である黒いリボンの付いた帽子を被り、バイオリンを使って、ブルターニュ地方の民族楽器であるバグパイプを模して演奏する様が録画されているからです。これは当時のちょっとしたお笑いパロディーだったのでしょう!御存知のかたも多いと思いますが、フランスシャンソンの原型は、ミューズと称された、このバグパイプから始まっているのです。
Swing De Paris
1934〜1952年の103曲を収める。デジタルリマスターされている。
多くの曲はジャンゴ・ラインハルトのギター、ステファン・グラッペリのヴァイオリン、ベースにリズムギター等を加えた編成。
他にはジャンゴのソロ、デュオ、ベニー・カーターやコールマン・ホーキンスらの管楽器奏者との共演などが含まれる。
とにかく猛烈なドライブ感とギターのテクニックにはただただ感嘆するばかりだ。
なお、この英国のProperboxシリーズはブックレットの充実ぶりがすごい。ちょっとした本といってもよい。
ジャケットもクールだし、はじめての方にもおすすめ。
Django Reinhardt Definitive Collection (Guitar Recorded Versions)
非常にしっかり製本されており、見やすくかつ初心者でも分かりやすいようにTAB譜も記載されています。伴奏も併記されていますのでパートナーと演奏する方にもおすすめ!!全20曲練習してジャンゴになりきっちゃいましょう。やはり音楽には耳で聴いて練習するということが必要ですので、CDが付属していないということで星4つとしました。
ただ、この内容でこの値段はとってもお安いと思います。是非CDを購入してこちらの楽譜を見ながらギターでSWINGしましょう。