うさぎ月夜に星のふね 1 (集英社文庫―コミック版)
げんこつ山のおしょうさんのもとに双子の狸が人間にばけてやってきた!双子の名前はトメとヨネ。天才とスポーツ万能という個性を持つ二人は地元の高校に入ることに。そこには複雑な家庭で悩む優花と転校生のタロウがいた。宇宙人との接触があって、地球には危機がせまっていることがあきらかになるのだった。
とぼけた双子とのんびりしたおしょうさん&太郎くん、気の強い優花ちゃんと、萩岩作品らしい個性のキャラクターがそろっています。双子の狸とか地球の危機とか、奇想天外な設定ですが、影のある優花ちゃんといい、いつものようにほろっとさせられます。どきどきの幕開け、第一巻です。
マリア・フォン・トラップ (学習漫画 世界の伝記NEXT)
長年萩岩先生のファンで、今までのコミックスは全て持っておりますが、今回は学習漫画という事で購入を迷っておりました。
ですが、サイトでメイキングを拝見し、どんなに丁寧に作られているか、また風景の美しさに惹かれ購入しました。
美しいカラーページが沢山あるのも魅力です。
実話ではあるものの、萩岩先生作品としてのイメージもそのままにとても感動できました。
主役のマリアだけでなく、旦那様や子供たちひとりひとり、修道院のシスターまで人物の魅力も満載です。
町や山等の風景がとても繊細でそのままポスターになりそうに美しいです。
家具や小物、洋服の模様など細かい部分も素敵に表現されていると思います。
マリアや子供たちの表情の豊かさは読んでいて楽しい気持ちになりますし、子供も学習のためという感覚ではなく読めるのではないでしょうか。
つたない文章で良さが伝わるかわかりませんが、私は買って良かったと思っております。
銀曜日のおとぎばなし 2 (集英社文庫―コミック版)
銀曜日に生まれた一千人目の女であるポー。10年に一度、神にいけにえを捧げるか虹の玉を捜さないと、ポーも部族もほろびるという予言がある。ポーの友達の人間、スコットの父親がこのいけにえに使われることがきまった。近づいてくる誕生日!ポーはどうするべきなのか。 また、「マリンブルーの音」という「はとぽっぽが歌えれば」の後日談もおさめられています。
自分の運命を知ってしまったポー。もうすぐ10歳だと言うのに、その周りを思いやる気持ちは立派だと思います。優しいスコットが支えてくれるとはいえ、その運命はあまりに重いです。2巻はポーにその運命が知らされるところでほぼ終わりです。3巻からの方が動きがあります。
銀曜日のおとぎばなし 1 (集英社文庫―コミック版)
〜満月の銀曜日に生まれた千人目の女が死ぬとき 部族が滅びる〜という。
ポーはその部族の中で千人目の女の子。ちょっと重い話からスタート
しますが、心優しいスコット青年と、小人の少女・ポーを中心に展開
される心温まるお話です。
何度読んでも心が優しくなれます。ぜひ全巻まとめて読んで下さい。
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ところでTV漫画で「とんがり帽子のメモル」という作品がありますが、
銀曜日のおとぎばなしをエッセンスとして製作されています。
放映当時も話題になり、銀曜日の各エピソードなどは「メモル」でも
取り入れられていて、本作を御覧になっていればニヤリとくる場面も
幾つかあります。
※「メモル」はアニメ作品として良く出来ています。おすすめ。
パールガーデン (集英社文庫―コミック版 (は26-11))
「昔の少女マンガ」、「りぼん」というカテゴリでスルーするには惜しいほどに完成された、
上質のロードムービーを見たような幸せな読後感をもたらしてくれる傑作寓話です。
主人公ピアが出会う「人間たち」は、何の因果か彼女から「王子様」と思い込まれた不幸な生い立ちの間抜けな詐欺師、機能不全家庭に育つ寂しがりやのスリの少年とその家族、大金目当てに近づく女性や、身内の死を受け入れられない孤独な老婆など、少女漫画の登場人物と思えないほどに不完全な人々ばかりですが、底抜けに明るいピアの無垢な純真さに、忘れていた「何か」をユーモアたっぷりに、そしてしんみりと、またはホロリとさせられながら見いだしていく姿が印象的でした。
連載された1980年代に流行っていたブリティッシュ・ロックな雰囲気に溢れ、知る人ならニヤリとしてしまう隠しコマンド(笑)もあります。ロンドンもコペンハーゲンも、かわいらしい絵なのに通り縋りの人の仕草に至る細かいところまできちんと描かれていて、臨場感たっぷりで見応えがあります。
少女漫画&お姫様願望&ファンタジックな世界に抵抗がないすべての方におすすめです。