The Rose~I Love Cinemas~
このアルバムは全曲、基本アコギかピアノ、そして手嶌葵の声だけでできています。たまにベースが入りますが、最小限の音だけで作られたこのアルバムは手嶌葵の声の魅力を最大限に発揮しています。かなり隙間のある演奏ですがそれが1曲、1曲の水晶のような美しさを際立たせています。はじめ聞いた時はvashti bunyanの2ndを聞いた時のように感じました。なんにでもオーケストラをダビングするようなオーバープロデュース気味な昨今のポップミュージックの中でこのようなアルバムはすごく珍しいのではないでしょうか?このアルバムで手嶌葵は本領を発揮できたと思います。これからが楽しみです。
ロミオ&ジュリエット [DVD]
東京公演を観に行きました。
シンプルな舞台美術は役者の動きや表情を際立たせるのに役立っていたと思います。
舞台初主演の佐藤健さんは、そうとは思えない通る声で心優しいロミオを見事に演じ切っています。
古典を現代風に置き換えた演出はわかり易く、それでもしっかりシェイクスピアの台詞なので
佐藤健さんや石原さとみさんファンというわけではない「ロミオとジュリエット」のお好きな方にも
楽しめる内容でしょう。
DVDではカメラアングルも多方から捉えていて主役2人の表情が生き生き。
本編でないスペシャルディスクには演じる役者さんたちの役に対する真摯な姿勢が紹介されていて若い熱意を感じます。
君に届け 1ST&2ND SEASON BD-BOX 【完全初回限定生産】 [Blu-ray]
たまたまレンタルDVDを借りて、あまりにも良かったので、思わず購入してしまいました。
私は40代の主婦ですが、私のこの年齢でもとても楽しめましたよ。
その後、原作コミックも全巻買いましたが、アニメの後に見ても、とても原作に忠実で違和感なく、メインの声優さん達もイメージ通りでした。(風早くん担当の浪川さんは可愛い少年役を演じればピカイチですね〜)
OPもEDもとても良く映像も綺麗だし、購入して良かったです。
Romeo and Juliet: Oxford Bookworms Playscripts Stage 2
Oxford Bookworms LibraryシリーズのStage 7(700語レベル)
語数 6,306 YL 2.5
大劇作家William Shakespeareの数ある名作の一つで、初版の1597年
から現在まで脈々と受け継がれている「ロミオとジュリエット」を、
700語レベルの現代英語でリトールド(簡易化)した本である。
イタリアのVeronaでは、長い間、Montague家とCapulet家の争いが
続いていた。Montague家のRomeoは、恋するRosalineがCapulet家
のパーティーに来ることを知り、友人と仮面をかぶり参加する。
Rosalineと話をするために来たパーティーだったが、そこで目に
した13歳の美しい少女Julietに一瞬にして恋に落ちる。たちまち、
お互い深い恋に落ちていったが、RomeoはMontague家で、Julietは
Capulet家だった…。
2人はFather Lawrenceの協力を得て、秘かに結婚を果たす。両家の
息子と娘の結婚とあって、これからの両家の関係回復を期待していた
が、次第に歯車がくるっていく…。
できれば原書で読破したいところだが、Shakespeareの場合、特にその
階段は高い。本書は分かりやすくリトールドされ、人物の登場、退場
も示され、劇のシーンもイメージしやすいため、あらすじを平易な英語
で読みたい方にはちょうどいいだろう。
長い歴史の中で古典化され、その内容の完成度の高さについては、世界
中の人から愛されているという歴史が何よりも証明するところだろう。
語るのもおこがましい名作である。
新訳 ロミオとジュリエット (角川文庫)
『ロミオとジュリエット』は、ジュリエットという「蕾が一気に開花して散ってゆく」(ヘーゲル)、その一瞬に圧縮された時間の力に圧倒される。ジュリエットの美しい科白、例えば「And palm to palm is holy palmers’ kiss こうして掌(たなごころ)を合わせ、心を合わせるのが聖なる巡礼の口づけです」(河合訳)等も素晴らしい。だが、この作品はジュリエットの純愛を際立たせるためであろうか、全編に卑猥な会話が溢れている。どうでもいい瑣末な箇所まで卑猥なニュアンスになっている。例えば、第二幕4場、通りをやってくる乳母と召使を見つけたロミオとマキューシオの会話。
「A sail, a sail!」「Two, two: a shirt and a smock. 」「船ぢゃ船ぢゃ」「二艘二艘。男襦袢(をす)と女襦袢(めす)ぢゃ」(逍遥訳)。「船は二艘。猿股に腰巻だ」(福田訳)。「二艘だ、パンツ号とパンティー号だ」(小田島訳)。「二隻、二隻だぜ、男と女」(松岡訳)。「二艘だ、二艘だ。シャツ号とシミーズ号だ」(河合訳)。比べてみると、福田訳と小田島訳は"意気込み"を感じさせる意訳だが、やや行き過ぎ。しかし松岡訳では物足りない。原文のshirtとsmockは、男用の下着のシャツと、女用の下着のシュミーズを意味する。「襦袢」と訳した坪内逍遥訳は見事。和服の下着「襦袢」はポルトガル語gibaoから作られた和製外国語「ジバン」だから、シェイクスピアの訳語として先祖帰りしたわけだ。そして、河合訳が逍遥以来百年の歴史を経て、原文を一番正しく再現していることが分る。
その他、河合の新訳は、この作品の科白が、幾通りもの異なった詩の形式になっていることを、脚注で説明している。これは作品の解読に非常に有益だ。