BOX SET
この4枚組はドアーズのスタジオアウトテイク、デモテイク、未発表ライブ等
貴重音源満載のドアーズファンなら必携のボックスなのですが、是非購入されるなら
輸入盤で無く国内盤の購入をお薦めします!と言うのもこのボックスに付属している
ブックレットの詳細なライナーがマニアなら読むほどに楽しめる内容だからです!
各楽曲毎のメンバーの発言やプロデューサーのP・ロスチャイルドの言葉等
興味深く読める筈ですよ! 4枚目のベストは特に重要では有りませんが...(苦笑)
American Prayer
Strange Days収録のWhen The Music's Overは、録音に現れなかったモリソンの間合いを感じながら予め録られた演奏に、モリソンのボーカルを被せた作品なのだそうである。俄かにはとても信じられないのだが、このアルバムを聴くとそれが事実だった事が納得できる。順番は逆であったにせよ、その場に居るはずがない亡きモリソンが放つ言葉に、三人のドアーズ達があうんの呼吸で音をはめ込んで、「四人のドアーズ」となる様はほとんど奇跡のようでさえある。
元々モリソンは荒々しい曲でさえはっきりと聞き取りやすい歌い方をするシンガーだった。ロッカーである前にいつでも言葉を愛した詩人だったのである。そして言霊を最も活かすには三人の友人達が必要だった事に、本当は気付いていたんじゃないかと思える。この作品制作に当初反対していたというプロデューサーのP.A.ロスチャイルドが、四人の発揮するマジックを否定できなかったのもその証左かと思う。正式リリースされていた音源や未公開音源を効果的にちりばめていて、音楽的なモリソンの朗読を十二分に楽しめる。ロードハウスブルース後のモリソンと観客のやりとりに、「人生は壮大な冗談」とかつて語った彼の人生感が少しだけ垣間見えるのも面白い。
ジム・モリスン詩集―「神」「新しい創造物」
これは、本当に美しい詩集ですよ。六十年代に活躍した伝説的なバンド、ドアーズのボーカリストだったジムモリスンが、一方で胸中に真の詩魂を秘めた人間であったという事がよく分かります。
本詩集は、英語の原文も付いているので、ジムモリスンの詩人としての力量も直接に味わえます。たとえば、「神」(The Lords)という表題の詩集の第1行目は、日本語訳で「ぼくたちの崇めるところを見よ」となっています。これは英語の原文では、「Look where we worship」です。発音を簡単にカタカナで表記すると、「ルック、ウエァー、ウイ、ウォーシップ」。要するに、「ルック」と軽く発音したあと、三つ連続して語頭に母音が続いているでしょ。これによって、印象的な響きの中に言葉の意味を超えたイメージが沸いてきます。
かつてドアーズのカリスマ的なボーカリストだったジムモリスンが、同時に真の詩人の一人であったという事は、死後三十年以上経ってようやく多くの人々に気付かれるようになっています。彼は夭折したアーティストの一人ですが、この詩集はそんな彼の芸術家としての美意識がぎっしりと詰まった、まさに珠玉の一冊です。
ハートに火をつけて
名作です。ジムモリソンばかりに注目が集まりがちですが、レイマンザレクのキーボードもまたドアーズの特徴づけを強くしていたのだと、この作品を聴いてあらためて思いました。スティーヴィー・ワンダーもコピーした超有名曲「LIGHIT MY FIRE」や映画「地獄の黙示録」のエンディングテーマになった「THE END」も収録。クールだけどどこか狂気が漂い、それでいて弱々しい部分もある...。永遠の純文学ロックの金字塔、体験していないなら、速攻でどうぞ。