稲生物怪録―平田篤胤が解く
夏は妖怪が元気になる季節。怪談とホラーとの決定的な違いが判る一冊ではないかと思う。天井から青瓢箪がぶら下がる怪、畳のヘリが反り返る怪、串だんごのように刺さった頭がぴょんぴょん跳びはねる怪・・可愛らしいのは、江戸期のゆとり。
荒俣氏が「本気」を込める一冊は、さして多くない。
タケヲちゃん物怪録 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
生まれてから一度も幸福を感じたことがない女の子。
ただ存在するだけで、不運を呼び込み周囲に災いをもたらしてしまう。
親元を離れ、一人暮らしを始めた古い集合住宅には沢山の妖怪が住んでいた…ー。
とよ田みのる先生の新作が出ました。
出版社が変わっても、優しい世界観と暖かみのある作風は変わっていません。
人の虚を突き、陰の気(負の感情の塊みたいなもの)を喰らう妖怪たちは、一見私利私欲により
動いているように見えるけれど、実はそうではない。
陰の気が抜けた人間は、心が晴れて人らしい感情を取り戻していく。
加えてタケヲちゃんに至っては、一番虚を突かれるポイントは、○○なわけで。
奔走する妖怪たちを見て、思い出す言葉は人にとっても言えること。
誰かにした優しさは必ず何かの形で自分に返ってくるよ。
余談だけれど、2話で六ちゃんが「なんじゃ、花なぞ見たいのか」と言ってお面を外すコマの
次ページからのエピソードがとても好きです。
『子供の時に切望していた何か』を、唐突に、でも易々と手渡されたようで。
それが一体何だったのか、自分でももう覚えていないのに。
多くのとよ田作品で遭遇する幸福な既視感は、記憶の底で眠るさみしさや表へ出る事のなかった
感情に光をあて、寄り添ってくれるものです。
私が欲しかったものはタケヲちゃんと同じものではありません。
でも私たちに多く共通するその『何か』の正体をとよ田先生はまだ覚えている人なんでしょう。
『何か』は決して物理的なモノではありません。
マンガ日本の歴史〈11〉王朝国家と跳梁する物怪 (中公文庫)
マンガ日本の歴史11巻は主に、藤原道長の幼少時代から始まり、朝廷で権力を握り、そして死に至るまでの物語である。道長は摂政(あるいはそれと同等の官職)として絶大な力を誇り、娘を次々と天皇の后とした歴史上類まれな成功者である。最後に道長が仏にすがりながらついには没する場面には感動を禁じえなかった。
朝霧の巫女 1 (ヤングキングコミックス)
巫女さんといえば邪道な描きクチで、程好くチビエロイ漫画を描く人たちはいます
でも、これは別物
巫女と妖怪が戦う純粋なバトル(ちょっとラブコメ)漫画である
見終わった後はカバーをめくってみましょう(笑
ココロの跡
テレビアニメ「もっけ」のオープニングテーマです。
「もっけ」は、ネット局が少ない上に地味な作品なので、話題性に欠ける部分が
ありますが、しみじみとしたとても良い作品です。
そのオープニングのこの曲も一聴して地味なのですが、聴き込んでいくとその良さ
がしみてくる、本編とマッチした作りになっています。
特に10話「カマイタチ」で本編に使われたタイミングは最高で、この曲の良さを再
認識しました。
カラオケにも入っているので僕は歌った事があるのですが、普段アニソン歌っても
(僕がヘタだからか)無反応な人から「いい曲だね」って言われてびっくりしました。
「もっけ」ファンならずとも、ぜひ聴いていただきたい一曲です。