クリックまんが オペラ座の怪人
『垣野内成美のロマンチック・ホラー』として、非常に完成度が高い作品です。オチがまさに“ファントム”で、予想以上には怖かったので、個人的には大満足です。絵は扉絵同様、全編美しく(ここにまず感動しました。)、演出も良く、音楽(BGM)も場面に合っていてカッコ良いので、この定価なら文句なしに充実していると言えるのでは。ただし『読み物』なので、クリスティーヌ等の歌声は入ってません。ガストン・ルルーの原作のみではなく、ミュージカル等、色々なオペラ座の怪人からエッセンスを(本当に上手に)抽出して編成したほぼオリジナルストーリーです(ツッ込みどころは多いですが、それもまた楽しい)。なので、原作好きの方には、かなり別物の気配がするので受け入れられないかも知れません。それより何より、最大の欠点は、クリックしないと読めないのが非常に面倒くさいということ。くりっくまんがなので、仕方がないけど・・・。
オペラ座の怪人 (角川文庫)
「怪人」は映画等であまりに安売りされているが、この原作を読んでその内容の深さに唖然とした。19世紀から20世紀へ。古い伝統と新しい時代の混交、そしてフランスの政治的・社会的不安を背景に、この物語は展開される。パリのオペラ座はきらびやかな世界でもあるが、かつてパリコミューンの際に、この地下で処刑が行われたという暗い過去も持つ。こうした歴史的な記述も豊富で、歴史的・文化史的資料としても興味深い作品だと思う。
映画では、勇敢な青年ラウルがか弱いオペラ歌手クリスティーヌを怪人から救う物語として描かれているが、原作では、ラウルはひ弱な青二才で、クリスティーヌは男を翻弄するやり手の女であり、そのへんのギャップも面白い。
The Phantom of the Opera: Piano Vocal Selections from The Block Buster Movie
まず、ファントム・ファンには装丁から感激ものです。表紙は映画のパンフレットと同じファントムとクリスティーヌの写真、裏表紙はあのマスクのアップの写真(もしかして実物大!?)、革の質感まで伝わってくるようです。
中は最初にカラー写真が7ページ、途中、曲の合間に白黒の写真が合計4ページ入っていて、どの写真も映画を思い起こさせます。
曲は12曲入っていて、基本的にミュージカル版の楽譜に近いようです。
新しく「THE FAIRGROUND」「JOURNEY TO CEMETERY」「LEARN TO BE LONELY」の3曲が追加されています。3曲とも転調がなく、弾きやすくアレンジされていると思います。
冬馬小次郎の探偵FILE ~オペラ座の怪人殺人事件~
推理ゲームとしては☆3つ。
下手にトリックとか使った推理じゃなくて、
純粋な殺人事件の方がよかったかも。
謎解きの方も、一応条件証拠を揃え、この人しかいないって感じで解決
でしたが、やはり何か物的証拠が出てきて自供の方がよかったかも。
何か決め手に欠けるまま犯人が自供したみたいな感じで、
オチが弱い感じでした。
しかし、少々厳しいことを書きましたけど、おバカゲーで有名なシールが
それだけ真面目にレビューできる作品に仕上がったと考えると、
ある意味☆5つ分の価値はあると思います。
というか、このブランドって真面目に作れば作るほど大コケして、
普通に作れば普通、おバカゲーとなるとたまに鬼作が生まれるのが
ジンクスだったので、今作も「あのシールが推理?」ってな感じで、
怖いもの見たさ的な感じて買ったんですが、意外といい意味で
裏切られた感じで、シール作品を今まで見てきた私としては
割りと当たりに近い作品だったと思います。
主人公3人を引き継いで、グランデ参入するのなら、
結構化けるんじゃないか?と、期待ができる作品でした。
また、「殺人事件」と書いてあるだけあって、当然死ぬキャラもいますが、
かといってシールのカラーは残しつつ、シリアスなシーンもあり、
また、犯人の動機もしっかりしていて、期待通りのできでした。
個人的には2より1の方がおすすめです。
PHANTOM OF THE OPERA PLPR5 (Penguin Readers (Graded Readers))
パリのオペラ座は地下に池があるうえ構造が複雑怪奇です。お化けが棲みついても不思議ではない。はたせるかな幽霊の目撃者がつぎつぎにあらわれ大騒ぎになります。神出鬼没の幽霊は支配人に法外な要求を突き付け、わがもの顔にふるまいます。この幽霊、どうやら歌手の卵クリスティーヌに思いを寄せているらしく、クリスティーヌを売り出そうと躍起になっています。幽霊の計画は順調に進んでいるかに見えましたが、横合いから恋敵が現れて幽霊の思惑通りに事が運ばなくなります。
有名な物語ですから、一度は読んでみたいと思っていました。邦訳もたくさんありますが、英語のおさらいになると思って本書を選びました。リトールド版といってもペンギンのレベル5クラスになると、かなり読みごたえがあります。恐ろしい怪物が美女にやさしくされておとなしくなる話はよくある話ですが、オペラ座の怪人も生まれて初めて女性にやさしくされ喜んでこの世から消えました。凶暴ですが、あわれを誘う怪人です。