ローレライ スタンダード・エディション [DVD]
ここのレビューでも評判が悪いようだが、あまり期待せずに観ると
それなりに楽しめる。戦闘のCGは良くできていて迫力があるし、
香椎由宇の超能力少女というありえない設定も結構好きだ。
妻夫木聡の優しい軍人さんもいい。
しかしこれらの「良さ」は、ストーリーの支離滅裂さ、人間関係の描写の
粗さ等、映画の基本的な部分の悪さを全て棚上げにした上での話だが。
小説・震災後 (小学館文庫)
東日本大地震と引き続き起こった原発事故、この震災の前と後で、日本はどう変わったか?平凡といえる首都圏に住む中年サラリーマンの主人公、野田とその中学生の息子、そして定年隠居の父親の3世代の家族がこの震災をどう受け止めたのか。平凡なはずのこの家族の中学生の息子が未来を見失いネット上で問題を起こす。震災からその後、実際に繰り広げられた政治的決断や、復興へ向けての社会の動き情勢をふまえ、この一年間を振り返るように話をすすめる物語。閉塞感が増したとおもわれる震災後の社会に対しての提言といえる話である。
主人公の父親は福島の原発事故の状況を専門的な見識で冷静に見れる立場の人間であるという設定である。この専門的な見地でみたとき、あの福島原発はかなり危なかったということが分かる。日本政府の博打ちの様な政治判断があったというのが事実であるらしい。それが原発臨界、水素爆発前後の政治混乱であったことが暴露されている。そして、原発事故により、脱原発、自然回帰論が幅を利かせるようになる。未来をになう若い世代が夢を失う世の中となりつつある。まさに、右も左も閉塞している世界である。
この閉塞状態でいいのか!それに対する未来への提言の書がこの福井晴敏の「小説・震災後」である。未来に向けての緊急提言という意味があり、出版を急いだのであろうか?少々文章が踊っているところがあるのが気になった。しかし、是非多くの人に読んでほしい、そして、日本の未来を考えよう。「将来は放っておいても必ずその人のものになるけど、未来は必ず来るとは限らない。見よう、見せようとしなければ見えないし、手にも入らないもの...それが未来である。」
映画「真夏のオリオン」オリジナル・サウンドトラック
この詩があるからこそ、きれいにまとまった映画。音楽は岩代太郎さん。ドラマチックに映画をもり立ててくれています。
帰り道を見失わないように。生き抜いてこその人生。
音楽には星を5つ。
戦国自衛隊1549 & 戦国自衛隊 ツインパック (初回限定生産) [DVD]
オリジナルの仕様がdts版で最新の1549がそうでないというのは、やや間抜けのような・・。
でも作品的には前作のほうが魅力あるので、このさい同時に購入したいといった方には、すでに発売されている「戦国自衛隊dts版」のおまけディスクの変わりに「1549」がついたといった感じで購入されるのも良いのではと思います。
この星4つはオリジナルのdts版に敬意を表しての評価ですので、あしからず。
6ステイン (講談社文庫)
エンターテイメントにおいて「工作員」というと、特殊訓練を受けた、武器や格闘のエキスパートというイメージが一般的だが、この作品に登場する工作員達は、我々市民社会のそこここにいるありふれた、しかも少々くたびれた人達だったりする。「市ヶ谷」の「非常勤工作員」(略称AP)が全国に数千人いる、という設定は、あまりに荒唐無稽(のはず)だが、そのAPたちの生活やら人生哲学やら哀感やらを淡々と綴る福井の筆力は、「もしかするとこれは実話かも?」とさえ思ってしまう。いまや老人と若者中心の社会になってしまったこの国で生きる中年サラリーマンとして、「自分達は何のために存在しているのか」を強く意識させられた珠玉の短編集だ。