Soft Targets (Dig)
女性ベーシストのカッコいいジャケに一目惚れで「ジャケ買い」したアルバム。しかしこれが内容も最高だったのだ!
3ピースのバンドで、これほどタフでソウルフルなロックを演るとは…!ジミヘン、ツェッペリン、レニー・クラヴィッツ、そういったアーティストのソウルを強烈に感じさせるサウンドだが、そのいずれとも違うオリジナルのフィーリングも持っているのが素晴らしい。
ニルヴァーナやガンズも70'sロックの魅力を汲んではいたが、硬質なサウンドはメタル譲りであった。しかし、本作はリフやメロだけでなく、音作りも70'sプンプンである。適度にラフであり、異様なまでの手直しなど皆無。スタジオ・ライヴを聴いているような、生々しいグルーヴが楽しめる。
伝統とオリジナリティが高次元で融合した名作と言えよう。オススメ!!
TERRAFORM (TG200CD)
このアルバムは売れるために曲の粒をそろえようとか、リスナーが聴きやすいように曲を構成しようとかいうことを気にせず、やりたいことを素直に表現したのだと思う。実際、1曲目は、12分ほぼ変わらぬベースフレーズとドラムパターンに、時折アルビニの歌と神経質なギターノイズが絡むといった構成で、その時間に比して体感速度は遅く、聴きやすくは作られていない。また、このアルバム全体的に、アイディアを練ったというよりは、思いついたことをそのままラフに演奏したことを感じさせ、いまいち勢いがガツンと伝わってこない。しかし、最後の曲では、疾走感あふれるリズム、ざっくりとしてぬけのよいギター音、哀愁漂う歌が見事に絡み合い、音の輪郭がはっきりとすると共に、それまでのもやっとした気持ちを払拭してくれる。つまり、彼らは決して聴きやすくない曲をアルバムにちりばめる方法で、この作品の持つカタルシスを最大限に引き出すことに成功しているのである。