心さえ負けなければ、大丈夫
もし自分が治療法のない難病になってしまったら、どうするだろうと考えました。
きっと自分のことに精一杯で、治療薬の開発のために、たった一人で製薬会社に乗り込んで行ったりはできないと思います。
本を読んでいると、障害を持っているのに、大変な病気のはずなのに、まったくそういう感じがしません。
寝たきりになってしまうことを覚悟して赤ちゃんを産んだり、デンマークへ留学したり、同じ年の女性として、とても刺激的です。
世界で初めてという薬の開発が成功すると、ほんとにいいですね。多くの難病の人達の希望になると思います。
死なないでいること、生きるということ
とにかく最初からお終いまで涙と鼻水で顔がくしゃくしゃになってしまいます。
それは悲しい涙なんかじゃなく、温かくやさしくそして美しい涙です。
特に、子供たちとの交流の場面や、
共に歩んでこられたスタッフの方々との交流など
涙なくしては読めません。
人間っていいな素晴らしいなと改めて感じさせられました。
お母さんや妹さんのことを語る場面では筆者の気持ちが痛いように分かり
必死に堪えていた涙が堰を切ったように流れて止まりませんでした。
これはとても悲しい涙でした。
自分のことは耐えられても、一番大切な人が壊れていってしまうことは
一番悲しく辛いですよ。
辛いことや必死に頑張ってきたことをさらけ出す勇気と強さは
いったいどこから湧いてくるのだろうとずっと思いながら読み進めていくと、
周囲の人たちに支えられているからこそ湧いてくると書いてありました。
その強さが希少難病患者達の代弁者となっていることに気づいてくると
今度はやさしい感謝の涙に変わってきます。
「死なないでいること、生きるということ」
この本は、間違いなく「人間讃歌」という名の美しい歌です。
美しい旋律、メロディです。
まだ読んでいない方は絶対に読んでください。