NOVEL MIHO YOSHIOKA
女性の爽やかな,健康的な美しさを感じました。
何枚かのショットは確かに過激ではありますが,男受けを狙う感じはありません。ここは好感の持てる所です。
いやらしすぎず,かつほど良い刺激のある作品です。
センチメントの季節3 夏
性についてこれほどストレートに生々しく描いた漫画は初めてだった。こういう作家は私が子供だったときはいなかったと思う。作者と歳が近いので、自分と同世代の人がこれほど鋭く性について捕らえているのは驚きだった。セックスシーンは沢山出てくるが、単なるエロ漫画ではない。体だけの関係と割り切って、後で心にやりきれないむなしさを感じたり、セックスをしている時以外生きている実感が持てなかったり。どこか倦怠的で、体と心が切り離されたような10代の少年少女がこのシリーズには沢山登場する。何だかとても痛々しい気持ちで読んだ。
よく道徳の教科書のような正論を吐く大人がいて、「中学生で売春なんて、人間のクズ」などという。しかし思春期誰もが体の衝動として性の目覚めを体験しているのでは。セックスなんて興味もなく、自分は勉学とスポーツ、清く正しい恋愛に青春を送りました、という顔をしている大人は、この漫画を読んで非常に嫌悪感を感じるかもしれない。自分の恥部を暴露されたような気がするのかもしれない。漫画に描かれている青春は明るく清くかっこいいものばかりだと思っていたけれど、青春なんて本当はぶざまでみっともないものだと思った。心と体とは必ずしも一緒に成長はしていかず、体の衝動のほうが先に立ってしまうこともあると思った。この巻の最後のシーンで、伊藤が奈津子に「今度会おうよ。話でもしよう。」というシーンは何だか胸を締め付けられた。二人が散々倒錯的なセックスをして、その後に心の触れ合いを求めるような台詞というのは何だか順番が逆のようだが、二人はこの後どんな関係になっていくのか、悲しいながら少し救われるラストだった。
眠れる夜の奇妙な話コミックス 時間の歩き方(2) (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)
楽しみにしていた新刊が出たので喜んで買いましたが、1巻で引き起こされた問題、行方不明の遇太の父の行方など全く解決されず、
これを単独の物語として見ればそれなりに面白いですが、締め切りに追われる作家の物語はちょっと笑えない設定。
次巻に期待したい。
聖モエスの方舟 3 (サンデーGXコミックス)
世界制服のスピンオフ的な立ち位置ですが、別にこの作品から読んでも何の問題もありません。長編少年少女向けSF。
ジュブナイル・ティーンズ……言い方は色々ですがSFやファンタジーを材としたこれら少年少女向け小説は私が思春期の頃にけっこう隆盛を極め(20年以上前か……)、その後ライトノベルという大奔流に飲み込まれ、今となってはアニメの焼き直しとしか言いようが無いラノベ大勢の中で細々と心ある作家がなんとか書いているというところまでやってきました。
(ラノベなど読まない上の年齢層の方に一言言えば、ラノベの中にも心ある作品はあります。なぜかアニメなどで人目につくとこにはあまり出てきませんが)
さて、原点回帰と言うかある意味回顧的とすら言える懐かしきジュブナイルSF作品である本作です。
とくに新味があるわけではないのですが、すべてにおいてきちんと作られております。きちんと設定をし、きちんと成長を描く。
この「きちんとしている」のが今のラノベ(の主流)と昔のジュブナイルの違いです。
きちんと設定されているため、「冷たい方程式」ではないですけど少年少女を戦場に駆り出す大人たちの立場というものに不快感を抱かずにおれます。また少年少女の各個に対してもまた、不快に思わずにおれます。つまり彼らは一人一人それぞれの事情を抱え、それぞれ懸命に生きている、と理解できるのです。少年少女の成長についても、地味にしっかりと段階を踏んで書かれています。
なんか当たり前のことを言ってるみたいですけど、今のダメなラノベはそれも書けてませんからね。同じアニメのテンプレートを用意されたとしても、ちゃんとそこに生きた人間を描けるか・自分が人間すらテンプレで書いてることに気づきもしないか、の違いと言いましょうか。
なんか余計なことまでだらだら書いてしまいましたけど、榎本さん、かなり意識的にかつてのジュブナイル作品を書こうとされてるように思いました。本来の物語というのはこうなんだよ!と
あ、3巻の内容触れてないや(^^; 成長と覚醒の過程の物語でした。て簡単すぎか(^^;
エリスが巨乳なのと友絵の視線の先がやたら気になりました。て台無しや