当時、イギリスのチャートを毎週のようにチェックしていたので
このドキュメンタリーは食い入るように見てしまいました。
特にオアシスのノエルのインタビューが興味深かった。
当時はあまりなにも考えずにオアシスのCDを聴いていましたが
「ワーキングクラスヒーロ」という言葉や、時代を考証する関係者の発言などに、
なぜオアシスの登場があれほど衝撃的でそのスタイルが魅力的に映ったのか
10年越しになんとなくわかったような気がして、自分にとっては見た価値がありました。
「ブリットポップは一過性のお祭り騒ぎだった」という結末ありきで
作られているドキュメンタリーなので、かなり悲観的な分析がされています。
でもイギリスらしいキツイ皮肉とユーモアもあり、楽しんで見れる作品です。
ブリットポップはマイナスな受け止め方で回顧されることの多い流行なのかもしれませんが
とてもパワーのある面白い時期でもあったな〜と思います。
Mezzanine
イングランド西部に位置する港町ブリストルは、17~18世紀を中心にアフリカから奴隷が多く運ばれてきた歴史があり、結果人種が混在するハイブリッドなカルチャーを形成することとなりました。
その影響を受けたのは音楽も然りで、ロックやポップにダブやアフリカ音楽をミックスする音楽の融合が自然に行われることとなりました。
つまり以降のトリップ・ホップやドラムン・ベースが生まれる土壌が既に形成されていたわけです。
事実この街はTHE POP GROUPという、ポストパンクを代表するバンドを生んでいます。
そして以降の、ブリストル出身の代表格がポーティスヘッドやトリッキー、そして彼等ということになります。
マッシュルーム・3D・ダディGの三人で作られたこのサードアルバムは彼等に世界的名声を与えることとなった、万人必聴の名盤です。
ダブ・ニューウェイブ・ヒップホップの三位一体が織り成す世界観は、その重低音と神々しい美しさのコントラストから絶対的な孤高性を誇っています。
また、アルバム毎に女性ゲストヴォーカルを迎えることで有名な彼等ですが、このアルバムで起用されたのはコクトー・ツインズのエリザベス・フレイザー。
その透明感ある声が、このアルバムのドラマツルギーを一層高めています。
鬱屈としつつも美しい世界観に惹かれる方には何よりも聴いていただきたい作品です。
LIVE FOREVER [DVD]
ん~・・・「虚しいなぁ」という感じしか受けませんでした。
政治と結びつけてまで語るようなものではない気がしましたね。
ビートルズのアンソロジーや24アワーパーティピープルの様に
渾然一体となってる感じのムーブメントではなかったのだなと自分は
感じました。
他の方も書かれてますが、見終わった後はため息つきたくなります。
タイトルとは裏腹に、ある時代が死んでいく様を記録した映画。
それでも良い音楽はこれからも残っていきますが。
Blue Lines
彼らの世界観は、この1枚ですでに完結してしまったんじゃないかと思えるほど、完成度の高さ。
余分な音は削ぎ落とされた分、密度の濃い音がイマジネーションをかき立てます。
ベースラインがいちいち格好良くて鳥肌がたちました。ここまで引き算をしたら、後はもう足すしかないんでしょうね、この後の作品は徐々に音が厚みを増し、緻密に隙間を排した音の作りになって行った気がします。
普段着の様な音楽ではないかもそれませんが、この作品を聴いている自分が闇の住人になった様な素敵な気分にさせてくれる名盤だと思います。