ライヴ・オン・ツアー・イン・ジャーマニー(紙ジャケット仕様)
これは黒人音楽の見本市といった趣の一枚です。
ファンクありジャズありアフリカンあり、もちろんブルーズも当然ですがあります。
特にイアンのパーカッションが大活躍のアフロ・ナンバーには驚きました。
キング・クリムゾン時代のそれとは、まったく違うスタイルでコーナー氏も思わず観客にイアン・ウォーレスと紹介してるほどです。
後半は、ブルーズ・ナンバーが中心ですが特にシャッフル・リズムのブギー・ナンバーは、ご機嫌ですね。
元クリムゾンの三人が、そのネーム・バリューのおかげで聴く者を制限している感がありますが、これはアレクシス・コーナー&スネイプのアルバムだとゆう事をお忘れなく。
R&B フロム・ザ・マーキー(紙ジャケット仕様)
ブリティッシュ・ブルースのゴッドファーザー:アレクシス・コーナーによるバンドのデビュー作とのことですが、一聴、感じるのは、シカゴブルースへの著しい傾倒です。予備知識なしに聴いた人は、よもや白人がやっているとは思わないのではないでしょうか? それくらい黒人ブルースのコピーに徹しています。ただし、コピーだからといって品質が劣るわけではなく、一級品のブルースを貫禄たっぷりに聞かせてくれます。
これ以降、コーナーのバンドは、数多くのブリティッシュロック、フォーク&ジャズの世界で名を成す著名人を数多く輩出する梁山泊的なバンドになっていくようです(ストーンズ、クリーム、ツェッペリン、フリー、コロシアム、ペンタングル等のメンバーから、ECM系のジャズミュージシャンまで、その人脈の広さは驚異的!)。音楽的にも、あくまでブルースを基調としながらも、より多彩な展開を見せていくようで、その様子は“Bootleg Him !”などのアルバムに記されています。
本作にそうした片鱗が必ずしも感じられるわけではありませんが、コーナーのブルースには、当時のイギリスの若者を狂わせ虜にする魅力があったのでしょう。「英国ロック史の源流を辿る」といった教科書的な聴き方も間違いではないと思いますが、まずは純粋に良質なブルース音楽として楽しむことをお薦めします。
ブートレグ・ヒム!(紙ジャケット仕様)
ブリティッシュブルースロックという、純粋なアメリカの黒人ブルースよりもある意味ブルージーなジャンル(?)において父なるアレクシス・コーナーであるが、本作の魅力は#12のロバート・プラントのボーカルだ。この1曲だけでも大変価値がある。今でこそプラント(植物)は枯れ木のようだが、当時の彼は初期のツェッペリンでお馴染みの野性味あふれる生い茂った原始林からの雄叫びとも言えるような迫力のある歌唱で周囲から際立っていた。本作では卓越したブルースハープも大々的にフィーチャーされており嬉しい限り。また、個人的に興味深いのは#10のポール・ロジャースとアンディ・フレイザーだが、残念ながらこちらはロジャースが完全にコーラスに徹しているため彼の個性がみられない。一方フレイザーはフリーでのそれと同じテンションで素晴らしいベース演奏を披露している。アルバム全体としては古典かつ必須な内容で満点である。
スカイ・ハイ(紙ジャケット仕様)
2006年Castle盤の焼き直し、ライナーノーツにデータは無い。残念ですが!Duffy Powerをvoに迎えた本作は、1965/4〜6月の録音、発売は1966/4月。メンバーはTerry Cox(ds)、Danny Thompson(b)、Alan Skidmore(ts)、Chris Pyne(tb)の布陣。ボーナスのBBCセッションは4つに分かれている。#16 1965/4/21録音、Herbie Goins(vo)、Ray Warleigh(as)、Nigel Stanger(ts)、Brian Smith(ts)、Danny Thompson(b)、Terry Cox(ds)で1972年[Bootleg Him]で紹介済み.#17,#18は1965/5月の録音でAlan Skidmore(ts)、Chris Pyne(tb)、Danny Thompson(b)、Terry Cox(ds)の布陣。#17は、1972年[Bootleg Him]で紹介済み.#19〜#23は1965/12月の録音でRay Warleigh(as)、Bernie George(bs)、Chris Pyne(tb)、Danny Thompson(b)、Terry Cox(ds)の布陣。#21には、Brian Auger(og)が参加している。同時期の音源[Honesty]は[Bootleg Him]で紹介済み。又、#21#22は[The BBC Radio Sessions]で紹介済み。#24#25は1966/1/22録音、メンバーは、Ray Warleigh(as)、Chris Pyne(tb)、Danny Thompson(b)、Terry Cox(ds)の布陣。同時期の[Blue Mink]は[The BBC Raidio Sessions]で紹介済み。ライナーノーツにあるDuffy Power[Innovation]RPM D320、是非聞いて欲しい。1965〜1967年の収録で、4つのセッションに分かれており、John Mclauglin、Jack Bruce等が参加しておりDuffyの素朴さ、力強さが出ている好作品ですよ!