His Best (Chess 50th Anniversary Collection)
シカゴブルーズを代表するハウリンウルフのベストCD。チェスレコードの50周年を記念してコンパイルされたシリーズのひとつで、ジャケ、音質、選曲のどれをとっても非常に丁寧な仕事がなされています。1CDでチェス時代のものではこれ以上のベストはないのではないでしょうか。強烈なダミ声とハープでグイグイ押しまくるスタイルは一度耳にすると忘れられません。ジミ、クラプトン、ストーンズやツェッペリンやドアーズの連中もそうだったんでしょう。このCDに選曲されている曲の数多くもこうしたアーティストにこぞってカバーされています。彼のボーカルの前には誰でも迫力不足とさえ感じてしまいますが・・。初めて彼を聴く人も凄みが堪能できると思いますよ。
Moanin in the Moonlight & Howlin Wolf
シカゴ武闘派の親玉ウルフ。死ぬまで白人におもねることなくシカゴのサウスサイドのクラブで演奏していたウルフ。そのウルフのチェス時代の名曲がLP2枚分収録されて、この値段、絶対買いですよ、もし持ってなかったら。
同じシカゴ武闘派のサニー・ボイと同じく、こわもて、バックが抜群、死ぬまで絶倫、という感じ。このCDはイッシュ順は逆で13~24が最初のLPで1~12が後に出されている。ウルフは(2),(5),(7)等、ディクソンの曲をやっていて、それらが幾分コマーシャルな印象も受けるが、今聞くと結構独創的で強烈な個性を感じさせる。ブルーズの名曲(8)の語りの部分はそのディクソンだったり、また体格も似たものがあり、仲良かったのかな。ウルフのアルバムはたくさんあるが、先ず最低、このCDはマスト。あとメンフィス時代のアルバムと、晩年のアルバムを加えると全体像が見えてくるよ。
シカゴ・ブルースの伝説 [DVD]
貴重な映像らしきシーンが次から次へと登場するシカゴブルースの歴史を映像や大物ブルースマンのコメントともに紐解くナイスな企画のDVD。全部で19曲あるそうですが、1曲まるごとというわけでは無いため、それを期待して買うのならやめておいたほうが良い。但しすごい数のブルースマンの映像を見ることが出来て、ブルースファンなら是非チェックしておきたいDVDです。見所は道端で演奏するロバートナイトホーク、時代と場所は50年代のサウスサイド。一発どりで有名なサニーボーイの録音場面。ココテイラーがコメントするウィリーディクソンとの裏話。ジョンリーフッカーのブルースに対する異常なまでの自負心と、ちょこっと演奏する「boom boom」。チャックベリーのコンサート。ヒューバートサムリンのライブ風景とコメント。バディガイのライブ映像「five long~」。ハウリンウルフの「ハウメニーモアイヤーズ」。Mジャガーのコメント。まだまだ他にもたくさんあってとても表記しきれませんが、とにかくシカゴブルースとは何ぞや?の問いかけに答えてくれる偉大なブルースマン達に感謝!
Blues Odyssey [DVD]
元ローリング・ストーンズのベーシスト、ビル・ワイマンによる、
一連のブルース・オデッセイと題された企画の、DVD版です
(ほかに、本、2枚組みCDが2種出ています)。
ワイマンへのインタビューを中心に、サン・レコードのオーナー、
サム・フィリップスや、フリートウッド・マックのミック・フリーとウッド
らにインタビューをして、ブルースの誕生から、
いかにロックシーンに影響を与えていったかを追いかけます。
ゴッドファーザー & サン [DVD]
マーティン・スコセッシを製作総指揮にむかえたブルース・ムービー・プロジェクトの中の一作です。
この作品がドキュメンタリーとしてその完成度が低いというわけでは決してないのですが、このブルース・ムービー・プロジェクトで制作されているそれぞれの作品は、『レッド・ホワイト・アンド・ブルース』や『フィール・ライク・ゴーイング・ホーム』など、あまりにもその質が高すぎる作品ばかりなので、それらの作品の中に入ってしまうと、この作品は少し落ちるかなぁという気がします。
しかし、そうは言うもののやはり素晴らしい作品であることには違いないわけで、ブルースやヒップホップに興味のある人はもちろん、そうでない人も十分に楽しめる作品です。
この作品の一番の見所は、「エレクトリック・マッド」というマディ・ウォーターズの発表したアルバムをめぐって、昔のブルースマン達と現代のヒップホップミュージシャン達が同じノリ、同じ熱意、同じ感覚で互いに言葉を交し合う場面でしょう。ブルースとヒップホップ、この二つの音楽の関係を考えると、この場面はまさしく父と息子の熱い対話と見ることができるでしょう。
ブルースファンの人はもちろん、ヒップホップに興味のある人が見ても、必ずや何か心に響くものがあると思われる作品です。