FREDDIE MERCURY TRIBUTE LOVE OF MY LIFE
一時期「筋肉少女帯」に参加していた異色のピアニスト三柴理が、クイーンの曲を弾いたアルバムという事で購入。
自分はピアノ音楽が大好きで、クイーンは何曲か知ってる程度なのですが、一曲目が始まってすぐに背中がゾクゾクする位の快感を覚えました。
三柴理の素晴らしいピアノテクニックとアレンジ!
原曲を壊さず殺さず、変なクセや独りよがりなアレンジが無いので、クイーンを知らない人にも美しいピアノ音楽として楽しんで貰えると思います。
いや、むしろクイーンを知らない人達に聴いてみて欲しい。
このアルバムをきっかけにクイーンに興味を持つ人もいるかもしれませんね。
オススメです♪
大四喜
『産休』までの宮村優子のアルバムは、アイドルくさい曲(『恋をするなら』とか『だいじょうぶの笑顔』とか?)や声優くさい曲(『根性戦隊ガッツマン』とか『こどものうた』とか?)が多かった(ぜんぶ大好きだけど)。
プロデュース陣はこの頃から凄かった(高浪敬太郎に小西康陽ってほとんどピチカート・ファイヴじゃないか!)し、それはそれで大好きなのだが、彼女が歌う価値がある曲というのは、たとえば『タマシー』(大槻ケンヂ作詞)や『さんきゅ』(みやむらゆうこ作詞作曲)のような、他の歌手が歌わない、いや歌えないようなものであると私は思っていた。
しかし、アイドル声優としての彼女の「役割」を考えれば、『タマシー』みたいな曲ばかりを歌うなどというのは考えられないことだった。
ところが、なにを開き直ったのかこの四枚目のアルバム『大四喜』は、『タマシー』と同等かそれ以上に凄まじい楽曲「のみ」で占められているのである。もちろん名盤。これ以上のエネルギーを持った作品は、声優界どころか、J-POPの、特に女性ヴォーカルの歴史の中では、本当に数えるほどしかないのではないか。個人的には、INUの『メシ喰うな』に準ずるレベルだ、と勝手に思っている。(さすがに『メシ喰うな』に匹敵する、とまでは言えないけど。)
1『ノストラちゃんまつり』
本人作詞。99年発表の『大四喜』は、世紀末感あふれるこの曲から始まる。関西弁で「なめとんのかワレ!えーかげんにせーワレ!ノストラ!ノストラ!」とがなり立てたかと思いきや、突然「有機栽培は無農薬」とか歌い出す、しょっぱなから気の狂った曲。
2『名探偵は人生を答えず』
大槻ケンジ作詞。探偵は、哲学的な思索も恋の悩みも「わかりゃしないさ そういうふうにできている」と、謎解きもせずに答え、電撃の街へ消える。結局自分で考えるしかない。そういう内容で、けっこう深い歌詞なのだが、なぜか「トコトコ まいっか」とか「イェー!」とか脳天気に歌っている。ちょっと聴くと単なる明るい曲にしか聞こえない。
3『福の神』
ジッタリンジンの破矢ジンタ作詞・作編曲。「ビリケンキューピー七福神エンジェル福助招き猫」と、神様(?)の名前を列挙して、「ラッキーゴッド、輪になって踊れ、ラッキーゴッド、私の上で」とひたすらくり返す。
4『Rustun or Die』
平沢進作詞・作編曲。平沢節全開の超名曲。新橋駅のKIOSKの裏に仏陀がやってきて説教を垂れようとするのだが「仏陀よ遅いわ人類なら遙かな昔に堕落したわ」と言われ、なぜか一緒に踊ったり歌ったりして、最終的には「花見の酒乱で馬鹿騒ぎ」とくる。こんな内容なのだが、もの凄いBPMの速さでまくしたてる。みやむーじゃないと歌いこなせないと思う。
5『12才の旗』
戸川純作詞。「今夜は赤飯だー!」という叫びから始まる。ある朝初潮を迎えた12才の「私」が、血のついたパンツを見て「我が祖国の旗=日の丸」を感じ、「これから毎月祝日にしよう」と思い立つ(毎月というのが、またうまい)。「恥ずかしいとか 大人になったとか どうでもいいことは おいといて それは美学」だそうである。
『玉姫様』以来の衝撃曲だと思うのだが。
6『大四喜』
破矢ジンタ作詞・作編曲。全編、マージャン用語のダジャレで歌詞を作っている。サビは「チャンタした返事も チーてくれないまま トンでもナンい夢ばっかリ ーヅモシャアペイテンパイかり それでもあなたがダイスーシー」。耳で聴かないとなんのことだかさっぱりわからない。手間のかかった名曲。
7『けっせらせら』
作詞:弥勒/作曲:φKI …ってなにごと?謎である。でも良い曲。「らっせーららっせーら けっせらっせーらっせーら」と連呼。
8『秘密結社〜金曜日の黒ミサ〜』
戸川純作詞、戸田誠司作曲。秘密結社の宗教的な怪しい儀式のおどろおどろしい描写が続き、でも恋のほうがずっとスリリングで残酷だよね、とまとめる。
9『途中でねるな』
カステラのカバー。超名曲。ビルの掃除から帰ってきたら彼女にセックスをせがまれたので気合い入れて頑張ろうと思ったのに彼女のほうが途中で寝てしまったのでそのまま中出しした。君(女)は生理が来なくて焦るかもしれないが、男は「俺は知らない。途中でねるな」と言い放つ。そういう曲。
10『褌ファイター』
作編曲野村義男(ヨッちゃん)。「ブリーフはきつい トランクスはダメ さらし木綿をまきつけ ヤーレンソーランラン ふんどしを締め直せ」という歌詞なのだが、なんか「ヨッツちゃん、スーパーブリーフチャージ!(ヨロシク ヨロシク)」という曲を思いだす。勇猛果敢で格好良い曲。途中で転調して太鼓だけになったり、「野郎どもー!合体だー!」とか叫びだす。謎だ。
11『おめでたパンダ』
本人作詞。初潮の曲(5)、中出しの曲(9)と来て、今度は出産の曲。ある意味コンセプトアルバム。セリフ「これから子パンダ お目覚して 産道通って おんもに出るから パパ ママ なかよくしてね」
12『山道と観世音』
未だかつて「観世音」をテーマにしたJ-POPの楽曲があっただろうか。素晴らしすぎる。不安を煽るようなピアノの音だけを伴奏に、人生のつらい坂道の途中に、観世音が現れる、ということだけを歌う。
13『僕の体温は37.5℃(さんじゅうななどごぶ)』
アルバムの最後を飾るに相応しい名曲。宮村優子の魅力は「早口と叫び」だが、その双方が遺憾なく発揮されている。特にラスト、「あげろ!あげろ!たいおん!あげろ!あたまを!ふって!たいおん!あげろ!あたまを!ふって!たいおん!あげろ!あげろ!あげろ!両手を!あげろ!足も!あげろ!あ、ゲロー!あ、ゲロー!ゲロを!あげろ!フトンも!あげろ!処女も!あげろ!テンプラ!あげろ!ギャラを!あげろ!消費税は!あがるな!人前で!あがるな!のぼせ!あがるな!たいおん!あげろ!あげろ!あげろ!あたまを!ふって!たいおん!あげろ!」と叫び続けるところなど、圧巻。
オリジナルビデオアニメーション「戦闘妖精雪風」オリジナルサウンドトラック1
賛否両論(どちらかといえば否論強し?)の本編はさておき(個人的には本編もよかったと思ってますが)、劇伴のこいつは最高でした。「聴くに値する」のではなく、劇伴好きなら「ぜひ買ってでも聴きたい」音楽集でしょう。別に版元の商売に協力する気はさらさらないんですが……。なんというか、ある一曲が素晴らしく、鬱になりがちな俺にすごい励ましをくれました。
スケキヨ
賛否両論あるだろうが、私にとっては、このアルバムは紛れもなく随一の神的名盤である。
『アオヌマシズマ』とセットではなく、これ一枚だけで最高の完成度を得ている。
また、大槻ケンヂという個性が表現として最も輝いているのは、本作であると言っても過言ではない(かもしれない)。
様々な葛藤や憤りは総て、最期の『GURU』へと収束する。
そしてそこに、究極の慈愛、卑屈、そして悲壮感とがひしめき合う言葉と音の渦が生まれ、聴衆を深い思考の淵へと飲み込んでゆく。
私はこのアルバムを聴くと未だに自分の在り方について悩まされてしまう。
異形への愛とその根源に覚えのある人には、是非ともこの強力なアジテーションを感じて欲しい。
ピアノで弾き倒す 華麗なるロッククラシックス with CD
日本が誇る……と言っても過言ではない超絶技巧系ロックピアニスト・三柴理氏が、70~80年代の名曲をピアノソロにアレンジ。
演奏CD付とあらば、即買い! の代物ではあるのです、が……。
実際に弾くとなると、生半可なウデでは殆ど歯が立ちません。
多分、最低ラインがツェルニー40番という処なのではないでしょうか。
しかしながら、随所に「よくぞここまで!」的な再現がなされていて、譜面を追う毎に、アレンジャーとしての氏の凄さをまざまざと見せつけられました。
巷に溢れるアレンジ譜のしょぼさに嘆いている腕自慢の方には、文句なしにお勧めできる譜面です。