HOPE「希望」
穐吉敏子さんの二十年来のファンです。近年、二年続けて穐吉さんのライブを聴くことができ、どちらのライブでも最後に演奏されたのがこの曲でした。「世界中に住むいろいろな人々が、愛し合わなくてもいい。互いにちょっとずつ我慢して、争い事にはならないようにくらしていけたら」という穐吉さんの言葉は、実感のこもった、納得のいく言葉として、今も自分の中にあります。ジャズのCDとして、あるいは穐吉さんのCDとして、最高の出来とは言いませんが、娘さんの伸びやかな声も心地よく、買ってよかったと思いました。英語の歌詞での歌唱のバージョンが優れていると思います。谷川さんの歌詞は、息継ぎが難しい感じですが、自分でも口ずさんだり歌ってみたい感じです(外国人の友人の前で、こういうのをカラオケで歌いたい)。娘さんの歌の伴奏という、特別な初体験、穐吉さんの緊張と気遣いと喜びが透けて見えるような気がしました。
孤軍
トシコさんのアルバムはどれもいいけれど,やはり懐かしい場所に帰ったときのようなくつろぎを与えてくれるこのアルバムが一番!
トシコさんの「パウエル流」のピアノも冴えているし(最近のものは楽想はともかくテクニックの衰えが顕著で気の毒・・・),タバキンのエッジの聴いたテナーも中毒性が高いです!バンドアンサンブルも,寄せ集めのミュージシャン(みんな凄腕だけど)とは思えぬ充実ぶり!
初めて聴いたときの新鮮な驚きは薄れていません,未聴の方は是非!
ジャズと生きる (岩波新書)
エリントンやマイルスがバリバリの現役だった50年代に渡米して、彼の地で音楽活動に身を捧げてきた秋吉女史の自伝。たかく経営が難しいといわれるビッグバンドを存続させ、且つ何度も賞を受賞するなど、その活躍には目をみはるものがある。しかし、それは表面的なものであって、その音楽活動の裏には非常に厳しい現実が隠されている。本書はそんな裏舞台についても赤裸々に語られている。
ベスト・オブ・秋吉敏子
秋吉敏子といえば私は「孤軍」が好きです。鼓の音とフルートがうまくマッチングしていて。彼女が注目を浴びた最初の曲でもあり、その後の作曲の原点とも言える曲です。ジャズという音楽の中に和の温かみを感じ不思議な気持ちにさせてくれます。ロングイエローロードも秋吉さんのテーマ曲となっています。彼女の音楽に興味がある方にお勧めします。