緑の日本語学教本
著者は現代日本語学を代表する研究者の一人である。しかし地位や名声には恬淡としているので、学界ではそれほど目立っていないかもしれない。いかにも「学究」という、いまでは珍しい昔気質の研究者である。といってもその知識は古典の日本語のみならず、最新の言語学をもカバーしており、その鋭い洞察力や研究にかける情熱は日本語学界では有名である。
研究では妥協を許さず、人にも自分にも厳しい。したがってこの本の内容の信頼度は非常に高い。ただその信頼性の高さを感じさせないとっつきやすさがある。パッと見、脱力するようなレイアウトだが、これは著者が多くの入門者が手に取りやすいようにとの配慮で、中身は本格的である。
従来の教科書にありがちな詳細な説明を脱し、最低限必要な項目だけを厳選した教科書。
経験の浅い教師でも教えられるように要を得た教師用指導書もある。著者は大学教員にもかかわらず、初めての講義には教案を作って臨むほどの几帳面さでも知られている。
ruin―緑の日々 (リンクスロマンス)
前作「ruin」の続編。
心が折れちゃったカレスと、彼を自分の故郷に連れ帰ったガルドラン。ここからの続きが今作。
てっきり心折れちゃったままで終了なのかと思っていたら、続きがあって驚きました。
レビュータイトルの「終始ドキドキ」は、六青さんの作品のお約束事が、いつ飛び出るのかと心配だったから。
そう、お約束の「強姦・輪姦」ですね。しかも痛い。
でもそんな心配する必要は無く、六青さんの作品にしては珍しく、最後まで和やかでした。「甘々を目指して」いたそうですので、納得。でも、甘々と言うよりは、結構ぼんよよーんとした後日談だったような・・・・。子供返りしちゃったカレスが、心を取り戻し正常になった途端に、ガルドランが死にそうになっちゃったエピソードがあって終了です。
とりあえず、痛いシーンは無かったのでまあ満足。
でも、そこは六青さん。本誌には入れませんでしたが、更に後日談が同人誌であって、やっぱり痛いです。
甘い気持のままで終了したい人には、「緑の日々」までだけを読むことをオススメします。
若き緑の日々
S&Gの音楽は、私を中学生の頃に戻してくれる永遠のサウンドである。本作はベスト・アルバムだが泣けるものが多い。
「Sound of Silence」は私を洋楽の道へと導いた記念の曲。都会人の心を抉る深遠な歌詞と曲想がマッチし、心に響く。「Homeward Bound」は心の故郷イギリスへの郷愁を歌った唄。「I am a Rock」は珍しくロック調だが、内容は孤独感を強調したもの。「America」は当時のベトナム厭戦ムードを巧みに表現した曲で、"自分探し"をしなければならなかった当時の若者の心情を良く捉えている。「The Boxer」は貧民街で産まれた若者の孤独と闘いを描いた詩情溢れる名曲。「El condor pasa」はアンデスのサウンドを採り入れた異色曲で、当時日本でも大ヒットした。「A Hazy Shade of Winter」は日本のTVドラマの主題歌に使われた事で急に有名になった曲だが、やはり孤独感を基調にした歌詞を疾走感溢れる曲調で包んだ曲。そして、何と言ってもハイライトは「Bridge Over Troubled Water」だろう。現代において、他人を思い遣る心遣い、人と人との絆の大切さを、スケールの大きなサウンドで包んで、二十世紀を代表する愛と友情の名曲となった。例の9.21テロの際、ニューヨークの市民は本歌を心の支えとしたと言う。
私の中学卒業時の記念の寄せ書きの中央には大きく「明日に架ける」の文字が。その時の同窓会は、35年経った今でも続いているのである。
らいおんみどりの日ようび (福音館創作童話シリーズ)
『かえるのエルタ』に出てきたらいおんみどりが活躍するファンタジー。
らいおんみどりというのは、全身みどりのライオンで、キャベツとトランプ遊びが大好き。
なにかと「食べちゃうゾ」と脅かす癖があるけど、かなりいい奴。
ライオンなのに、なんだか、ほのぼのとしていて、
同じ作者の本に登場したときから、一目でファンになってしまいました。
この本では、そんならいおんみどりが、大好きなトランプを使って、大活躍。
この著者の本の割には、あんまり知られていないのがもったいない。
『エルタ』にワクワクした子には、大推薦です!
Movie The Best Year Of My Life [DVD]
やはり、このDVDでは”緑の日々”だと思います。あの時からやり直したい時は、誰にも有ると思います。出演している武田鉄矢さんが年を取っていない事がご愛嬌ですネ。