少女素数 (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
ハーフの双子の女の子と造形師のお兄さんを中心とした人間模様・恋模様を描く。
基本的には「可愛いは正義!」という内容。
お兄さんを大好きな妹2人が少女から女へと変化していく過程を綴る。
純真で無邪気な双子も似ていても別の女の子。
誰とでも友達になれて人気者の「あんず」に対し、妹の「すみれ」は
人見知りが激しくて友達が少ない。
でもその分だけすみれのほうが恋には敏感だった。
幼馴染の男の子を好きだと気が付いて、お姉ちゃんよりも先に「女になった」
でもその男の子は親友の女の子が好きな相手。
板ばさみの三角関係の辛さなんて・・・知るはずもない。
知ってしまったらもう戻れない。それも「大人になるのだということ」なのだと、
後に大人となった双子はかつての自身を自らの子供に重ねて思い出すこともあるのだろうかと。
少女素数 (2) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
等身大の”おんなのこ”の日常を描いた、長月みそか渾身の「少女」漫画、第2巻。
1巻目では12歳ぐらいだった双子も、2巻目にしてもう14歳に……。表紙も前より確かに大人びて見えます。
女の子の成長は早い……。
可愛くてほにゃほにゃな絵柄は相変わらずですので、安心して読めます。
しかし年頃の少女たちに悩みは付き物。恋の話、友達との付き合い方、大好きなお兄ちゃんとの距離感……(笑)
どれも些細なことながら、おんなのこには大事なことばかり。妖精のような少女たちも、こうして大人になっていくのだなあと、感慨にふけってしまいます。
ただこの巻で一番目立っていたのは、大人の女性である桐生さん。未熟な少女たちと、成熟な女性との対比が上手く表現されているコマがあり、ちょっと感心しました。
3巻目には、可愛い双子も高校生くらいになってしまうのでしょうか……?寂しくもあり、楽しみでもありますね。
HR ‾ほーむ・るーむ‾ (2) (まんがタイムKRコミックス)
可愛らしい絵柄と比較的展開の早い学園物です、恋愛要素もありました。
作者さんの他の作品に比べてずば抜けて面白かったです。
絵柄が好みであれば、問題なく受け入れられる学生生活マンガですね。
細かなところにクスリと笑える箇所があり、楽しめると思います。
あでい いんざ らいふ (TENMA コミックス LO)
長月みそかの初単行本でLO掲載作品の中じゃ多くの支持を得た作品。
絵は加賀美ふみをのキャラにかにかにの絵柄を足した様な印象で
細い身体、いわゆる人形体系って感じの絵柄です。
描写自体はソフトだけど登場人物たちの台詞や行動はわりと毒っ気があり、
10代中頃の年代の登場人物だけで描かれているからこそ
「あるあるwww」って箇所も結構あったりして妙にリアルさを感じます。
個人的には三人のヒロインの中じゃ川崎がいいです。
三人の中じゃ一番可愛い顔してて、家では幼い弟の世話したりする
良い姉だったりするし、主人公の本命でもあり、本番行為も彼女が最後だったりします。
チェンジH red (TSコミックス)
今回は前巻よりほんのりお色気度がアップしています。
特に巻頭で一部カラーのポン貴花田さん、甘詰留太さん、吉富昭二さん、そしていつもは色気より笑いの六道神士さん作品に顕著です。
性転換や異性装を第二次性徴前後の少年達、特に幼馴染に絡ませたバカでエロながら胸を打つ作品から、仮想空間や未来のクローニング技術を題材としたSFまで、内容はバラエティに富んでおり、アンソロジーとしてもかなり高レベルな面白さです。
連作短編で世界観とキャラクターを継承しながらも殆どが一話読み切り形式なので初めて読まれる方も余り抵抗が無いと思います。
それにしてもおりもとみまなさん作品の性転換してもやる事が変わらない愛すべき愚かさと、本誌で連載デビューを果たしてもう直ぐ単行本も出る春夏秋冬鈴(ひととせりん)さんの風流なペンネームは素晴らしいですね。
新登場のマサオさん、センターオールカラーで連載開始の長月みそかさんの漫画も大いに読み応えが有ります。
読後感が良く美しい絵の作家さんが多いお薦めアンソロジーです。但しご家族やお友達の前で読むのは様子を見てからにしましょう。