大いなる遺産 (上巻) (新潮文庫)
芸術的ともいうべき絶妙なユーモアが至る所にちりばめられ、知らず知らずの内に幸福的感覚というようなものを喚起させられる。
また、幾度となく‘折返し’を重ね、読み進めていく内に小説全体の骨格・構成・シナリオが織り上がっていく様は「重厚」の一言に尽きる。それというのはつまり、なるべく直接的な表現を避け、被写体の輪郭より外側からゆるやかに少しずつ描写していく内にある名画が出来上がっているという具合で、この緻密にして地道な作業がほぼ完璧なまでに完成しているからこそ、この作品がディケンズ晩年の傑作と謳われるのではないだろうか。
大いなる遺産 [DVD]
大いなる遺産は何度も映像化されているんでしょうけど、これが本物!と思わず飛び上がります。
画面自体のゴージャスさ、キャラクターの配置等々、数ある『大いなる遺産』映像の中でピカ一!本国イギリスでDVD化されていないのに日本でDVD。グーです。
大いなる遺産
本作品は同名映画サウンドトラック版。全16曲。
4曲目Chris Cornell(”Sunshower”)はSoundgardenというバンドのリーダー。15曲目The Grateful Dead(”Uncle John’s band”)は日本でも少々の知名度はあるはず(僕でも聞いたことがあるのだから)。あとはオンライン検索してみても,Tori AmosやDuncan Sheik,Iggy Popなどを除けば情報はほとんど掴めず,日本ではほとんど無名の歌手の皆さんがこのサントラを作ってます。うち,*のついた5,8,12,14は映画には用いられていない音楽ですので,まぁどういう編集意図があるのかは素人の私には不明です。
映画に用いられて最も印象的なのは,何と言っても,Monoというアーティストの”Life in Mono”でしょう。これが手許に欲しくて本CDを買ったようなものです。歌声はまるで森田童子(代表曲「ぼくたちの失敗」(テレビドラマ「高校教師」(93年放映)主題歌))を思わせるつぶやき系。
もちろん,トーリ・エイモスによる劈頭1曲目”Fin”と2曲目”Siren”はいい曲ですし,6曲目のPulpによる”Like A Friend”は唯一,”Life in Mono”に追いつく勢いを感じさせるポップな仕上がりの曲となっています。この曲は映画でも“絵を食って”ました。4曲目”Sunshower”(Chris Cornell)もなかなか聴かせます。(793字)
大いなる遺産 (紙ジャケット仕様)
プロテストソングの名曲が輝く、岡林師でありますが本アルバムに
収録されている、「君を待っている」の歌詞「これってあるよな〜、
この感じ」と思わせます。
世界の大事<君との小事、みたいなラブソングに食傷気味の方々、
岡林師が作ると、愛の歌も違います!!是非お聞き下さい。
もちろん、他の曲すべてが輝いてます。URCの1-3枚目のアルバムを
作ってたころの曲が網羅されてるわけですから、まあ当然です。
「わたしを断罪せよ」「見るまえに跳べ」「俺らいちぬけた」の
三枚揃えたら、これも加えてコンプリートです。
「世界遺産」の真実---過剰な期待、大いなる誤解 (祥伝社新書185) (祥伝社新書 185)
「世界遺産検定」というものができた時から、これは一体何のためにできて、誰が受けるものかと思っていた。この著者は、その検定で世界遺産マイスターを取得している奇特な人である。そんな人が書いたものを読めば、どうしてそんな検定試験ができたのかが理解できるのかと思って読んでみた。
実際に世界遺産とはどういうものなのか、どうしたら世界遺産と認められるのかをよく分かっている人は滅多にいないと思う。少なくとも私は分かっていなかった。本書を読んで、世界遺産に興味を持った。単なる有名な観光地になる早道だと思っていたが、どうやらそうでもないことも分かった。そこには、文化、歴史、文学など深い意味があることに私は共感した。私は言語と文化に大いに興味があるが、世界遺産に少し「のめりこんで」みようかと思ったりもしている。
世界遺産って一体何?と思っている方、是非読んでみるといいと思う。