From Langley Park to Memphis
前作の「スティーブマックイーン」のヒットを受けて、より一般受けを狙いアメリカのマーケットも意識した開放的な作品になっている。この前にリリース予定だった地味なアルバムをレーベルがお蔵入りにさせて、本作をリリースさせていることからもレーベルとしてはかなり期待していたようだ。今や仙人と化したPマクレーンだが、この当時はジャケ写とか見るとロン毛でポーズ気取ったりして売れる気モテる気満々だね。前作のような湿り気はなくなり非常に明るいポップな作風となっているが、ここまで日よっても全く楽曲のクオリティを低下させないPマクレーンの器用さには脱帽だ。前作と次作の「ヨルダンカムバック」に挟まれて彼らのアルバムとしては目立たないが、質の高さは保証付きだ。
Andromeda Heights
ジャッケットデザイン、ディスクのデザイン、音楽、歌詞、
全てにおいて徹頭徹尾計算され、美しく仕上げられた名作です。
最初はジャケット買いで、試聴してノックアウトされました。
美しいポップロックアルバムです。
生の楽器の音が丁寧に重ねられ、その上に温かいVOCALが
調和されていて本当に素晴らしい作品に仕上がっています。
心疲れた時、なんかホッとしたい時、この作品に耳を傾けたら
癒されること必定です。
この作品に出会えて、本当に良かったと思います。
そして、この作品前後の彼らの作品も追ってみたら、これはこれは
個性豊かで素晴らしい作品群。カラーがそれぞれ違う高品質の作品
をこうも作り続けることのできる彼らを知って、改めてよかったと
思います。
マジお勧めです。
スウーン(紙ジャケット仕様)
天才パディ・マクアルーン率いるプリファブ・スプラウトのデビュー作。次作があまりにも強烈なインパクトを放っている為か、今となっては「プロテスト・ソングス」辺りと並んで少々地味なポジションに置かれているが、これも紛れもない名作。基本的にこの人達の作品に関しては5つ☆以外の評価はありえないと思っているので、このアルバムも当然ながら☆☆☆☆☆。それにしてもここでの各楽曲のヒネクレ具合は凄い!の一言。いったいどうやったらこんな奇妙なポップソングばかり作れるの?というぐらい不可解な転調の連続に眩暈すら覚える。が、ある種の清涼感というか、爽やかさを伴っているという所がこの人達の真骨頂。ある意味彼らの全ディスコグラフィー中、最もアクが強いアルバムとも言える。エルヴィス・コステロが絶賛した名曲15を筆頭に、234678等彼らでしかありえない、一切のルールを超越した奇妙かつパラノイアックなポップ・マジックが炸裂!当時よく比較されたロディ・フレイムやエドウィン・コリンズといった人たちよりもむしろ、アンディ・パートリッジと共通する部分が多く感じ取れると思う(特に本作は)。パディ・マクアルーンの個性的なソングライティングの妙が横溢した、名盤。
Jordan:the ep [Single-CD]
90年発表の5作目。この作品は名作の多い彼らの作品の中でも別格。予定していた製作日数が大幅に延びたためにオクラ入りしていた『プロテスト・ソング』が蔵出しされたことは有名だろう。しかし本作はその時間延長を物ともしない作品に仕上がっている。最高傑作と言っても良い、3rdや2ndを軽く蹴散らすかのようなこの作品の仕上がりには驚くばかり。細部まで丁寧に作られたサウンドに舌を巻くかのような傑出した名曲が19曲も詰まっている。正座して聴きたくなるほどのクオリティながら、作品そのものはゆったりと豊かな時間が流れていくかのようなやさしさに包まれている。元々このアルバムはアメリカの伝説的アウトロー、ジェシー・ジェイムスをコンセプトにした作品の予定だったらしいが、途中でそのコンセプトは頓挫。頓挫というよりはコンセプトが発展してしまったとするのが妥当なのかもしれないが、何にしても楽曲ありきの作品になったことは間違い無い。
全体的にややロック的な迫力は乏しいものの、彼ら本来のエレガントさとメロディの良さはこの作品が一つの頂点であり、個人的には彼らにこれ以上は求めるものがないほどの完全無欠の作品である。
とにかく聴いた後の高揚感と満足感が全く違う。音楽が全て終わった後の余韻すら素晴しい。
Prefab Sprout (Original Album Classics)
Jordan:The Comebackだけ曲順入替、マイナス4曲の15曲入り。
曲順はオリジナルトラックNo.だと2/1/4/5/6/8/10/14/3/7/9/11/12/13/15。
マイナス4曲はMichael/Mercy/Scarlet Night/Doo-Wop In Harlem...の終盤4曲。
というわけで、
これで手軽にオリジナルアルバムを揃えようと考えている方は要注意です。